【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,170.41  ▼971.82 (4/21)
NASDAQ: 15,870.90  ▼415.55 (4/21)

1.概況

昨日の米国市場は、主要3指数がそろって大きく下落しました。トランプ大統領が自身のSNSで「予防的利下げ」を強く要求し、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長を厳しく非難したことから、FRBの独立性が損なわれるとの懸念が広がり、市場では売りが広がりました。また、景気悪化への懸念も引き続き根強く、売りが加速しました。

ダウ平均は236ドル安で取引を開始すると、下げ幅を広げ、一時は1,311ドル安まで下落しました。引けにかけては下げ幅を縮小し、結局971ドル安の38,170ドルで取引を終え、4日続落となりました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も415ポイント安の15,870ポイントで取引を終え、4日続落しました。S&P500株価指数も124ポイント安の5,158ポイントで取引を終え、大きく反落しています。

2.経済指標等

3月の米景気先行指数は前月比0.7%低下となり、市場予想(前月比0.5%低下)と前回結果(前月比0.2%低下)を下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、11業種すべてが下落しました。一般消費財・サービス、情報技術、エネルギー、公益事業、資本財・サービス、コミュニケーション・サービス、金融、ヘルスケア、不動産は、いずれも2%以上の下落となり、素材と生活必需品も1%以上下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、全30銘柄中、ナイキ[NKE]のみが1%未満の上昇となりました。一方で、その他の29銘柄は下落し、特にユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が6%以上下落したほか、エヌビディア[NVDA]とセールスフォース[CRM]が4%以上、アメリカン・エキスプレス[AXP]、シャーウィンウィリアムズ[SHW]、スリーエム[MMM]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、シェブロン[CVX]がそれぞれ3%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、クレジットカードを手掛けるディスカバー・フィナンシャル・サービシズ[DFS]が3.6%上昇し、S&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。同社は、キャピタル・ワン・フィナンシャル[COF]による買収が米当局に承認されたことが材料視されています。なおこれを受け、キャピタル・ワン・フィナンシャルは1.5%上昇しています。また、ネットフリックス[NFLX]は、米市場休場前の4月17日に発表した第1四半期決算で、値上げなどが奏功し、市場予想を上回るEPS(1株当たり純利益)を達成して1.5%上昇しました。

一方で、テスラ[TSLA]は、米国で生産する手頃な価格のEVモデル計画を遅らせる見通しだと報じられ、株価は5.7%下落しました。また、配車サービスのウーバー・テクノロジーズ[UBER]は、米連邦取引委員会(FTC)が同社に対し、ウーバー・ワン・サブスクサービスに関連する不正な課金と過度の解約手続きに関する訴訟を起こしたことが嫌気され、3.1%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前営業日から0.09%高い4.41%となりました。ドル円は、140円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場で主要3指数が揃って大きく下落した流れを引き継ぎ、本日の日本市場も下落してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均は心理的節目の3万4000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

また本日は、国内ではオービック(4684)、B-R サーティワン アイスクリーム(2268)、米国ではテスラ[TSLA]やゼネラル・エレクトリック[GE]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]などの決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)