週明けの日経平均は2024年8月の急落時の安値を下回る展開に
週明け4月7日の日経平均は一時3,000円近い下落幅となり、月足のローソク足で長い下ヒゲを形成した2024年8月の急落時の安値(31,458円)を下回る展開となりました。下ヒゲはいつか見にいくと誰かに教わりましたが、決して信じたくはありませんでした。
2019年の年初にドル円が急落し、日足で長い下ヒゲを形成した後、同年8月にその下ヒゲを一時下回った場面を思い出しました。ただ、日経225採用銘柄のうち、2019年8月安値を下回っているのは106銘柄(4月7日現在)と半分もない状態です。いかに、特定の銘柄によって押し下げられているかがわかります。
60ヶ月移動平均線を下回った場合の次の下値メドの水準を考える
3月の日経平均は月足の24ヶ月移動平均線を割り込んで終えました。4月も下値模索が続き、先週末で36ヶ月移動平均線(33,249円、7日現在)まで下落しました。2020年3月安値(16,358円)を起点に2024年年8月急落時の安値(31,156円)を通る上昇トレンドライン付近が推移する水準でもありました。
しかし、そんな重要な下値のフシでも下げ止まらず、7日は一時60ヶ月移動平均線(30,614円 同)付近まで下落幅を拡大する展開となりました。60ヶ月移動平均線を下回った場合の次の下値メドの水準を考える必要があります。
このようなパニック的な下落相場で推測する下値メドは当たることはないですが、言い続けることにします。次の候補は、アベノミクス相場が始まる直前の2012年秋ごろの安値を起点に、その後の安値を通る右肩上がりの上昇トレンドラインです。2020年のコロナショック時の安値を無視するトレンドラインとなりますが、ここは死守したいところです。4月~5月に到達すると29,000円台となります。
目先のリバウンドはまもなくあると思われますが、2024年8月急落時のように売り切った感がないため(足元でいったん安値になるであるだろう水準に対して)、若干底割れするダメ押しの二番底(5月)になることも想定できます。その際、28,000-29,000円はあるかもしれません。
週足のボリンジャーバンドで下値メドを探る
上記以外にも下値メドを探る色々な切り口はありますが、最も信頼できるのは週足のボリンジャーバンドによる見方かもしれません。ボリンジャーバンドは単純移動平均線を中心に標準偏差(シグマ)を加えて描いたものです。標準偏差をボラティリティと考えます。一般的には標準偏差(1シグマ)と標準偏差を2倍にしたもの(2シグマ)を単純移動平均線からそれぞれプラスとマイナスの方向に広げ、合計5本のラインで構成されます。標準偏差を3倍にしたもの(3シグマ)を反映し、合計7本のラインで見ることもあります。
価格が移動平均線の周りに正規分布していると仮定し、中央値に近い値ほど出現確率が高く、価格推移は-1シグマ~+1シグマに68.27%、-2シグマ~+2シグマに95.45%に収まるという考え方です。-3シグマ~+3シグマでは99.73%まで広がりますが、中央値から2シグマ以上乖離した値の出現確率は極めて低いといわれます。
週末(4月11日)の終値ベースではバンドレンジ内に戻ると予想
実は、コロナショックの2020年3月の急落時に、1週間だけ-3シグマを下回った局面がありましたが、その2週間後からリバウンド相場に入っていった経緯があります。2024年8月の安値時も週間のザラバベースでは下回る場面はありましたが、終値ベースでは-3シグマ以内まで戻して終えました。-3シグマまで変動する確率は低いため、価格推移も一時的になることが多いといえます。
今回の急落場面では、先週(3月31日週)の時点において、終値ベースで-3シグマを下回りました。今週(4月7日週)も週初7日からの大幅安で下回る動きが続いています。しかし、2020年3月の急落時のケースを参考にすれば、-3シグマを下回るのは先週のみで一巡する可能性が高いです。今週は週末4月11日の終値ベースではバンドレンジ内に戻ることが予想されます。