東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場が半導体株を中心に下落した流れを引き継ぎ、日本市場でも半導体関連株に売りが出て日経平均は276円安の37,750円で取引を開始しました。また、トランプ米大統領が輸入自動車に対して25%の関税をかけると発表したことで、自動車株も下落し9時6分に470円安の37,556円をつけ本日の安値を更新しました。その後は持ち直す場面が見られるも、前場は安値圏での推移となり353円安の37,674円で引けました。

後場は37,600円台で推移する時間が続きました。しかし、3月の権利付き最終日であったことから、権利取りのための買いが支えとなり最終的には227円安の37,799円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が0.4%安で3日ぶりに反落となりました。

2.個別銘柄等

フジクラ(5803)は7.0%安の5,831円をつけ5日ぶりに反落となりました。「米マイクロソフト[MSFT]が、米国と欧州で計画していた2ギガワット規模の新しいデータセンタープロジェクトから撤退した」と伝わり、データセンター向けの光製品を手掛ける同社に売りが出ました。

SUBARU(7270)は5.0%安の2,805円をつけ4日ぶりに大幅反落で取引を終えました。トランプ米大統領が、輸入自動車に対して25%の関税をかけると発表したことで売りが優勢となりました。トヨタ自動車(7203)は2.0%安、マツダ(7261)は6.0%安で取引を終えました。

千葉興業銀行(8337)は一時9.8%高の1,639円をつけ昨年来高値を更新しました。日本経済新聞が「千葉県で最大手地銀の千葉銀行(8331)が同県3位の千葉興業銀行の株式20%弱を取得する方向で最終調整していることが26日、わかった」と報じ、連携による競争力の高まりを期待した買いが入りました。しかし、買いが続かず終値では0.5%安の1,485円で反落となりました。

コンテンツ配信サイトを運営するnote(5243)は21.3%高の2,001円をつけ大幅続伸となりました。横浜市教育委員会が教育委員会向け「note pro(ノートプロ)一括導入プラン」を利用し、横浜市立の全小中学校のnoteを開設したと発表したことで、サービス拡大を好感する買いが入り、一時はストップ高となる場面もありました。

ICT測量機器メーカーのトプコン(7732)は一時8.6%高の3,224円をつけ昨年来高値を更新しました。「投資会社の米KKRがトプコンの買収契約に近づいている」と報じられ、TOB(株式公開買い付け)実施への思惑から買いが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

トランプ米大統領が日本車を含む、輸入自動車に追加関税をかけると表明したことで自動車株安となるなか、売りが広がり日経平均は一時470円以上下げる場面もありました。

明日の材料としては、今晩発表の米新規失業保険申請件数があげられます。市場予想では前週から3,000人増の22.6万人が予想されています。米政権の進める連邦職員の人員削減等、上振れ要因が懸念されることには注意が必要でしょう。

また明日は配当落ち日であり、日経平均は300円程度の下押し影響が予想されます。足元の不確実性と相まって軟調な展開が予想されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)