東京市場まとめ
1.概況
日経平均は132円安の37,619円と続落で寄付きました。ドル円相場が、19日夕方と比較し148円台後半と円高で推移したことを背景に、輸出関連株の下落を受けて軟調なスタートとなりました。しかし、早々に上げに転じると、ドル円相場が149円台と再び円安方向に推移したことも投資家心理を後押しし、段々と上げ幅を拡大し138円高の37,890円で前引けとなりました。
後場も堅調に推移するも、14時頃から上げ幅を縮小しました。37,800円近辺で一進一退に推移するも15時ごろからさらに上げ幅を縮小し、再び下落に転じると、そのまま74円安の37,677円で大引けとなり続落となりました。
新興市場では東証グロース250指数が小幅高となり、5日続伸で取引を終えました。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が2.0%高の7,960円をつけ、3日ぶりに反発となりました。20日に、生成AI(人工知能)開発を加速する目的で、米半導体設計のアンペア・コンピューティングを65憶ドル(約9,700億円)で買収すると発表したことで買いを集めました。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は一時6.4%高の2,239.5円をつけ株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。19日、日銀の植田総裁が金融政策決定会合後の会見にて「経済・物価の見通しが実現していけば、引き続き政策金利を引き上げる」と言及したことで、追加の利上げ観測が強まり、利ざや改善を期待した買いが入りました。
三井物産(8031)は0.5%高の2,992.5円をつけ4日続伸となりました。国内証券が、同社の投資判断を真ん中の「中立」から最上位の「買い」に、また目標株価を従来の3,430円から3,560円に引き上げたことが買い材料となりました。
19日に上昇したJX金属(5016)は9.6%高の958円をつけ大幅高となりました。上場2日目も短期の値幅取りを狙う個人の買いが、株価を押し上げました。ENEOSホールディングス(5020)の完全子会社だった上場前と比べて同社の経営の自由度が高まると等といった評価がされています。
三菱自動車工業(7211)は0.3%安の443.1円をつけ3日ぶりに反落となりました。朝方は台湾の電子機器受託生産大手、鴻海精密工業に電気自動車(EV)の生産を委託する方針であると報じられたことで、将来的な収益貢献期待から買いが入るも、次第に上げ幅を縮め、最終的には1.3円安で取引を終えています。
VIEW POINT: 明日への視点
日米の中銀会合を無難に消化するなかで、日経平均は週間で1.7%の上昇にとどまった一方で、TOPIXは同3.3%高となり昨年12月27日以来の2,800ポイント超えで取引を終えました。TOPIXは7日続伸とモメンタムの強さがうかがえます。
来週は28日に発表される日米の物価指標が材料となりそうで、日本では3月の東京都区部CPI(消費者物価指数)、米国ではPCE価格指数が発表されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)