東京市場まとめ

1.概況

日経平均は6円安の37,839円と小幅安で寄付きました。しかし、下げ渋ると持ち直し、海外投機筋とみられる株価指数先物への買いが主導し、堅調な推移となりました。大型株を中心に買いが入り、9時20分過ぎには節目の38,000円を超えました。前引け間際に日銀の金融政策決定会合の結果が示されました。政策金利の据え置きが発表されたことで、上げ幅を拡大し261円高の38,107円で前引けとなりました。

後場は伸び悩み、上げ幅を縮小して始まりました。株価指数先物への買いが一服し、14時過ぎからは前日終値付近で一進一退に推移しました。

大引け後の日銀植田総裁の会見や明日未明のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見を前に、手控えムードが広がり、最終的には93円安の37,751円と安値引けとなりました。新興市場では、東証グロース250指数が0.1%高で4日続伸となりました。

2.個別銘柄等

伊藤忠商事(8001)は3.9%高の7,393円をつけ、6日続伸となりました。著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイが日本の5大商社株を買い増したことで前日から買いが続いており、本日もバフェット効果により株高となりました。一部ではバリュエーション面でも投資妙味があるとの指摘もされています。

IHI(7013)は4.3%高の11,750円をつけ、反発となりました。19日、日本経済新聞が「IHIの2026年3月期(来期)の民間向け航空エンジン部品の売上収益(売上高に相当)は2025年3月期比15%増になる見通しだ」と報じ、収益拡大のニュースを材料視した買いが入りました。

三井不動産(8801)は0.2%高の1,342円をつけ、5日続伸となりました。18日、国土交通省は2025年1月1日時点の公示地価が4年連続で上昇したと発表しました。大都市を中心に事業を展開する大手不動産にとっては追い風となる見方から買いが優勢となりました。

東映(9605)は1.9%高の5,260円をつけ、続伸となりました。18日、2025年3月期の期末配当予想を従来の6円から、特別配当6円を加えた計12円に増額すると発表し、これを好感する買いが集まりました。

中国電力(9504)は1.6%高の940.6円をつけ、6日続伸となりました。19日、2025年3月期(今期)の当期純利益の見通しを、従来の700億円から800億円(前期比40.1%減)に上方修正し、また期末配当も従来の10円から5円増額となる15円へと引き上げたことを好感した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は大引けにかけて弱含み、反落で取引を終えました。休場明けの材料としては、本日大引け後の日銀植田総裁の会見と、明日未明のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果があげられます。植田総裁の会見での注目ポイントは、声明文にて記載された「各国の通商政策等の動きやその影響」が日銀の利上げ判断や、今後の見通しにどの程度影響が出そうかといったことに対して説明がなされるかに注目です。

FOMCでは米政権の関税政策を考慮した物価見通しに注目で、現行のインフレ水準がどの程度持続すると見ているかに注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)