モトリーフール米国本社– 2026年3月29日投稿記事より

2026年2月末以降、原油価格が急騰しています。世界的な原油の指標であるブレント原油価格は1バレル当たり60ドルから100ドル強へと、70%を超える上昇となっています。この戦争が長引くほど、原油価格はさらに上昇する可能性が高いとみられています。イランが重要な石油輸送ルートであるホルムズ海峡を封鎖し、ペルシャ湾の石油インフラを攻撃しているのが理由です。

原油価格の急騰は、米国の全ての石油関連株に恩恵をもたらします。ここでは、原油価格の上昇から大きな利益が得られる事業構造を持つ米エネルギー企業3銘柄を紹介します。

コノコ・フィリップス[COP]

コノコ・フィリップスは、低コストの資源で構成される世界トップクラスのポートフォリオを構築しています。同社は2026年の原油価格が平均40ドル台半ばであれば、設備投資計画を賄うのに十分なキャッシュフローを生み出すことが可能です。また、原油価格がさらに10ドル上昇すれば、配当を賄うことも可能でしょう。2025年について、原油価格が60ドル台半ばから後半で推移したにもかかわらず、同社は73億ドルのフリーキャッシュフローを生み出したこともあり、余裕をもって40億ドルの配当を支払いました。

コノコ・フィリップスは、2026年に設備投資やその他のコスト削減だけで、さらに10億ドルのフリーキャッシュフローを追加できると見込んでいます。原油価格が急騰している状況では、余剰フリーキャッシュフローはさらに増えると予想されます。同社はこの追加の利益を、自社株買いの増額という形で株主に還元する公算が大きいとみられています。また、S&P500指数を構成する配当銘柄の中でも上位25%に入る増配を計画しています。

イーオージー・リソーシズ[EOG]

イーオージー・リソーシズ(以下、EOGリソーシズ)は、米国を代表する独立系石油生産会社です。同社が他社と一線を画している点の1つは、低コストでかつ高収益の事業運営です。同社は原油価格が1バレル当たり55ドルであれば、米国内で新規に油井を掘削した際の、税引き後直接利回りは平均100%を超えます。また、原油生産の効率性を継続的に高め、コスト削減を着実に進めています。過去1年間で油井関連コストを平均7%削減し、操業コストも4%減少させました。

その結果、EOGリソーシズは原油価格が低い局面でも高い利益を上げることが可能です。例えば、同社は原油価格が55ドルの場合、今後3年間で累計100億ドルのフリーキャッシュフローを生み出すと見込んでいます。この数字は、原油価格が平均70ドルになれば、180億ドルに増加します。これは原油価格が平均73ドルだった過去3年間に稼いだ額を30億ドル上回ります。

足元の原油価格が100ドル台にある水準の場合、EOGリソーシズはさらに多くの利益を上げることができるでしょう。その結果、同社はより多くのキャッシュを株主還元に充てることが可能になります。既に財務内容はきわめて健全であり、2026年は普通・特別配当や自社株買いを通じて、フリーキャッシュフローの最大100%を株主に還元することができるでしょう。

ダイヤモンドバック・エナジー[FANG]

ダイヤモンドバック・エナジーは、埋蔵量が豊富な米国のパーミアン盆地に集中展開する有力な石油・ガス生産会社です。同社はこの地域で最大の事業規模を誇り、これが競争優位性につながっています。

また、この地域の中で特に損益分岐点が低いグループの1社であり、現在の生産量の維持に必要な油井の掘削資金を確保するには、原油価格が1バレル当たり平均30ドルあれば十分です。また、現在の配当を賄うのに必要な原油価格は37ドルです。

同社の損益分岐点が低いことから、原油価格が低い局面でも多額のキャッシュフローを生み出すことが可能になっています。例えば、原油価格が50ドルの場合、31億ドル強のフリーキャッシュフローを創出でき、2026年の原油価格の平均が80ドルであれば、フリーキャッシュフローは67億ドルを超えるでしょう。同社はフリーキャッシュフローの半分を社内に留保して、既に健全な財務内容をさらに強化し、残り半分を普通・成果比例配当や自社株買いを通じて株主に還元する方針です。

低コストの事業体制が生む原油高メリット

コノコ・フィリップス、EOGリソーシズ、ダイヤモンドバック・エナジーの3社は、原油価格が50ドルを割っても運営可能な事業体制を築いてきました。その結果、現在のように原油価格が100ドル台という局面では、大きな利益を手にしています。これらの石油企業の多くは、この追加的な利益を増配や自社株買いの拡大を通じて株主に還元し、その結果として株主価値のさらなる向上につながると考えられます。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Matt DiLalloは、コノコ・フィリップスの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、コノコ・フィリップスおよびイーオージー・リソーシズを推奨しています。モトリーフール米国本社は、情報開示方針を定めています。