東京市場まとめ

1.概況

先週末の米国市場にて、主要3指数が揃って反発した流れを受けて日経平均は400円高の37,453円と続伸して寄り付きました。値がさ株の半導体株を中心に買いが入り、堅調に推移すると、上げ幅は前場の中ごろには一時500円を超える場面も見られました。

後半からは伸び悩み、422円高の37,475円で前引けとなりました。後場も堅調さを保ち、13時6分に510円高の37,563円をつけ本日の高値を更新しました。

その後は37,500円台で一進一退に推移するも、14時半ごろから伸び悩み、最終的には343円高の37,396円と上げ幅を縮小して大引けとなりました。新興市場では東証グロース250指数が0.7%高と続伸で取引を終えました。

2.個別銘柄等

東京電力ホールディングス(9501)は5.7%高の459.8円をつけ3日続伸となりました。原子力発電所1基が稼働することを前提に、2026年3月期(来期)の経常利益が1,181億円となる見通しを発表したことで買いを呼びました。

ソニーグループ(6758)が2.0%高の3,589円をつけ続伸となりました。国内証券が目標株価を従来の3,700円から4,600円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。アナリストからは家庭用ゲーム機「プレイステーション」のユーザー拡大が確認でき、当面はゲームが全社の利益成長をけん引すると評価されています。

鹿島建設(1812)は2.7%高の3,056円をつけ反発となりました。証券会社の建設セクターレポート内で同社の目標株価を従来の3,300円から3,800円に引き上げたことが買い材料となりました。また投資判断は最上位のオーバーウェイトとされています。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は一時1.9%高の2,039.5円をつけ株式分割後ベースで上場来高値を更新しました。企業の賃上げ動向を背景に、日銀による追加利上げ観測が高まり、利ざや改善を見込んだ思惑買いが株価を押し上げました。

低価格店の「業務スーパー」を手掛ける神戸物産(3038)は2.0%安の3,449円をつけ3日続落となりました。14日に発表した第1四半期決算は、当期純利益が前年同期比91.7%増の105億円と大幅増益となりました。朝方は増益を好感した買いが先行するも、足元の好業績はすでに織り込み済みとの見方もあり、売りが優勢となり取引を終えました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は先週末の米国株高を受けて大幅続伸となりました。明日の材料は、今晩発表される2月の米小売売上高があげられます。市場予想では、前月比0.7%増が見込まれており、前回1月分の0.9%減から持ち直すとされています。

弱さが現れた1月からの反動という見方が大勢を占めますが、アメリカのGDPの7割を占める消費動向が持ち直すかに注目で、無難に消化できれば株式市場もポジティブに反応するものと考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)