2代続く「3年財務官」の可能性
三村氏は2024年7月に財務官に就任したため、2026年7月でちょうど財務官任期が2年となる。財務官の任期は平均すると2年程度だが、三村氏は今夏の財務省幹部人事でも留任する可能性が高そうだ。前任者の神田氏は「3年財務官」だったが、このまま三村氏も財務官を3年務めることになれば、2代続けて「3年財務官」ということになる。
三村氏は、神田財務官時代の在任期間である3年間、財務官の次席である国際局長のポストにあった。神田財務官は、2022年、2024年の円安阻止介入を指揮したことで有名だが、その間、三村氏が国際局長としてサポートした形となっていた。その上で、2024年7月に神田財務官の勇退を受け、国際局長から昇格し、2026年4月末には財務官として、2024年7月以来となる為替介入再開を指揮したと見られている(図表参照)。
2024年までは神田・三村コンビが指揮した円安阻止=2026年は米国と連携
このように2022年、2024年の為替介入局面でも、国際局長として神田財務官とのコンビで円安阻止政策に密接に関わった三村氏だが、財務官として2026年に再開した円安阻止政策は2024年までとは大きく変わった可能性がある。具体的には、2024年までの円安阻止はあくまで日本単独のものだったのに対し、2026年は1月のいわゆる「レートチェック」が日米協調の形になるなど、米国との連携が強くなったということだ。
2026年4月末から三村氏が財務官として再開した円安阻止のための介入は、日本のゴールデンウィーク(GW)中にも、さらに1~2度行われたと見られている。ただし、これを2024年まで神田財務官-三村国際局長のコンビで行われた円安阻止政策の延長として考えると間違うかもしれない。
円安160円超容認せず=日米協調介入はあるか
1月23日、円安が1ドル=160円に接近した局面で、日米の通貨当局は「レートチェック」で円安けん制に動いた。そして4月末、いよいよ円安が160円を超えると日本の当局は米ドル売り・円買い介入に動いた。
こうしたことから、現在の円安阻止政策は、160円以上の円安を容認しないことが1つの目標になっているように考えられる。このため、なるべく160円より円高方向に誘導する目的で、米ドル売り・円買い介入で155円を割るまで米ドル安・円高に押し戻すことももう1つの目標ではないか。
その上でさらに155円以下でも米ドル売り・円買い介入を行うかについては懐疑的な見方もある。また、1月23日の「レートチェック」局面のように日本単独での米ドル売り・円買い介入でも円高への反応が限られ、たとえば再び円安が160円を超えそうになった場合は米当局も米ドル売り・円買い介入に出動する、いわゆる日米協調介入が実現するかについても見方は分かれている。
三村氏の国際局長時代(2022年、2024年)の円安阻止政策に比べ、財務官の立場となって指揮する2026年の円安阻止政策は、米国との連携が強くなるなど大きく変わっている可能性があるが、財務官を続投することでその「ニュー円安阻止政策」の方針も継続されることになりそうだ。
