東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場でのハイテク株安が重荷となり、日経平均は506円安の37,198円で寄付きました。米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4.5%安と7ヶ月ぶりの安値で終えたことで、日本市場でも半導体株が指数を押し下げて始まりました。朝方は下げ幅を広げ、節目の37,000円を割り込んで推移するも、10時過ぎからは持ち直し37,000円台を回復、696円安の37,008円で前引けとなりました。
後場は一段安となり、再び37,000円を割り込むと安値圏での推移が続きました。今晩発表される米雇用統計を前に積極的な押し目買いも入りづらく、終始安値圏で推移し15時6分に891円安の36,813円をつけ本日の安値を更新しました。
最終的には817円安の36,887円で大引けとなりました。新興市場では、東証グロース250指数が反落、2.1%安となりました。
2.個別銘柄等
任天堂(7974)は9.2%安の10,335円をつけ、4日ぶりに反落となりました。足元ではトランプ米大統領による追加関税の影響を受けづらいとの見方から、ゲーム銘柄に買いが入っていたところ、本日は全体的な地合いの悪化をきっかけに利益確定の売りが優勢となりました。同様にコナミグループ(9766)は7.1%安の16,935円をつけ、反落で取引を終えました。
アドバンテスト(6857)は2.3%安の7,508円をつけ、4日続落となりました。前日の米国市場にてエヌビディア[NVDA]が5.7%安と急落し、エヌビディアに製品を供給する同社株にも売りが波及しました。
日本マクドナルドホールディングス(2702)は1.4%安の5,630円で取引を終えました。6日に発表した2月の既存店売上高は前年同月比0.8%増となるも、前月1月の同4.3%から伸びが鈍化したことが重石となり、増収を好感する買いにはつながりませんでした。
コーセー(4922)は7.7%高の6,858円をつけ、3日続伸となりました。中国当局から財政拡張の可能性が示唆され、また足元で香港ハンセン指数が急騰する等、中国景気の回復期待が広がっている中で、中国関連とされる化粧品株の同社に買いが入りました。
すかいらーくホールディングス(3197)は一時2.1%高の2,848.5円をつけ上場来高値を更新しました。内需の外食関連銘柄として相対的な買い安心感が意識されているほか、足元でドル円相場が円高に推移しており、原材料等のコスト増を抑えられるといった見方が買いを呼びました。
西日本旅客鉄道(9021)は3.0%高の3,054円をつけ、続伸となりました。国内証券が投資判断を「中立」から「買い」に引き上げ、また目標株価も従来の3,250円から4,000円に引き上げたことが買い材料となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
ドル円相場の円高進行が市場心理を冷やし、リスク回避の売りが目立ちました。日経平均は週間で0.7%安となり、リスクオフムードが続いています。今晩は2月の米雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数の市場予想は前月から16万人増加が予想されており、前回1月の14.3万人増から堅調な伸びが見込まれています。
しかし、5日に発表されたADP雇用者数は予想(14万人増)を大きく下回る7.7万人増であったことから、本日の雇用統計も下振れの可能性が考えられ、雇用鈍化がリスクオフムードをさらに加速させる懸念があります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)