2025年2月25日(火)23:00発表(日本時間)
米国 コンファレンスボード消費者信頼感指数

【1】結果:現況指数、期待指数いずれも低下し消費者マインドの悪化を示す

2025年2月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は、前回から7ポイント低下し98.3となりました。市場予想を下回り、消費者マインドの悪化が示されました。

【図表1】米国消費者信頼感指数結果まとめ
出所:The Conference Board、Bloombergよりマネックス証券作成

【2】内容・注目点:現政権の関税政策を懸念する回答が大半を占め、期待指数やインフレ期待は悪化 

消費者信頼感指数とは?

消費者信頼感指数とは、全米産業審議委員会が5,000人程度の消費者に対して、現状(経済、雇用の2項目)と6ヶ月後の予想(経済、雇用、所得の3項目)について調査し、指数化したものです。個人消費がGDPの約7割を占める米国では、その数値に注目が集まります。また、図表2の通り、景気後退時には、本指数が急激に落ち込む傾向にあり、景気動向の判断にも用いられます。

【図表2】消費者信頼感指数の推移
注:シャドーは景気後退期
出所:The Conference Board、Bloombergのデータを基にマネックス証券作成

2月結果の内訳・詳細

そして、今回2月の米国消費者信頼感指数は前月比で7ポイント低下し、98.3を記録しました。これは2021年8月以来の最大の下落幅で、トランプ大統領の就任後に消費者のセンチメントが悪化していることが分かります。

ただし、景気後退期を除いた通常時の平均値(97.9)は上回っており、依然として2022年以降の狭いレンジの下限付近にとどまっています。今後、このレンジを下抜けて急落していくようであると、実際の個人消費の減速や景気後退入りが懸念されます。

次に内訳を見ると、現況指数(図表2の灰色バー)は2月に136.5となり、1月の139.9からやや低下しました。ただし、1月分は速報値の134.3から139.9に上方修正されており、今回は修正値から若干の低下にとどまっています。依然として高水準を維持しており、消費者の現状評価には大きな変化がないことがうかがえます。

一方、期待指数(図表2の黄土色バー)は2月に72.9と、1月の82.2から急低下しました。一般に期待指数は80を下回ると景気後退の兆候とされ、今回2024年6月以来8ヶ月ぶりにその水準を割り込みました。回答内容では、現政権とその政策に関する懸念コメントが大半を占め、特にトランプ政権の関税政策がインフレや物価見通しに与える影響を不安視する声が目立ったと報告されています。

総じて、消費者は現状には満足しているものの、トランプ政権の不透明な政策運営に対する先行き不安が強まっている状況であると言えます。今後、トランプ政権の政策が具体化するにつれて消費者のセンチメントがどう変化するのか、特に現況指数の推移に注視する必要があるでしょう。

雇用に関する回答は再び悪化

また、労働市場の強さを測る指標として、「雇用は十分にある」と回答した割合と「仕事を見つけるのが難しい」と回答した割合の差が注目されています。図表3の青色折れ線を見ると、前回の改善から一転し、再び悪化しました。過去の動向から、この指標は失業率と同様のトレンドを示す傾向があり、失業率は低位での推移が続いていますが、3月7日(金)に発表される2月の雇用統計で失業率が悪化する可能性が懸念されます。

【図表3】失業率と「雇用が十分にある」と「仕事を見つけるのが難しい」の回答の差の推移
※シャドーは景気後退期
出所:米労働省、The Conference Board、Bloombergのデータを基にマネックス証券作成

1年先の予想インフレ率は急上昇

また、消費者の1年先の予想インフレ率(平均値)は前月の5.2%から6.0%へと急上昇しました。消費者は現政権の関税政策の影響を受け、今後1年間の物価上昇を懸念していることがうかがえます。

【図表4】消費者の1年先の予想インフレ率の推移
出所:The Conference Board、Bloombergのデータを基にマネックス証券作成

【3】所感:消費者センチメントの悪化による実体経済への影響が懸念される

今回のコンファレンスボード消費者信頼感調査の結果は、米国の消費者マインドが悪化している様子を示しました。

消費者信頼感指数はあくまで消費者のセンチメントを指数化したもので、実体経済とは別物ではあるものの、一般的に消費者マインドは、実際の個人消費動向に影響を与えるとされています。これまで米国経済を支えてきた個人消費の減速が進めば、景気後退入りへの懸念も高まります。

実際に、先月の小売売上高統計でも消費減速の兆候が見え始めており、今後も個人消費動向には目が離せません。

【図表5】消費者信頼感指数と個人消費の推移
※消費者信頼感指数と米国の個人消費(実質GDP,前年比%)の動きをみると、二つのトレンドはフォローしていることが確認できる。
出所:米国商務省、The Conference Boardよりマネックス証券作成

また、消費動向には失業率や所得といった労働市場のデータが重要な要素となります。今回の調査では、消費者のセンチメントから労働市場の悪化が示唆されていますが(図表4)、実際のハードデータとして3月7日(金)発表の雇用統計に注目が集まります。

フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐