モトリーフール米国本社 – 2025年2月15日 投稿記事より
パランティア・テクノロジーズ[PLTR]、2024年第4四半期決算を受けて株価急騰
パランティア・テクノロジーズ[PLTR] は2025年の2月初めに2024年第4四半期決算を発表し、実績はウォール街の予想を大幅に上回りました。このニュースを受けて株価は急騰し、2024年1月から本稿執筆時点までの配当金再投資分を含むトータルリターンは現在、585%に達しています。
パランティアはS&P500指数構成銘柄の中で、その期間に最も株価が上昇し、上昇率が2位の銘柄を250ポイント上回りました。そのため、パランティアは今や、史上最も割高なソフトウエア銘柄の一つとなり、次の展開がどうなるかについては、疑問をはさむ余地はないでしょう。将来的にどのような経路をたどるにせよ、バリュエーションは低下する可能性が高いと思われます。
パランティアは過去10年間で最も割高なソフトウエア銘柄の一つ
以下では、その重要な詳細を取り上げます。米国の独立系証券ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループ[JEF]のアナリスト、ブレント・ティル氏は最近のCNBCのインタビューで、好調だったパランティアの第4四半期決算を称賛しました。しかし、ティル氏は「パランティアの予想PS倍率(株価売上高倍率)が55倍を上回っており、このバリュエーションはごく少数のソフトウエア企業しか達成したことがなく、その中のどの企業もその水準を維持できていない」と指摘しました。予想PS倍率は時価総額を予想売上高で割って算出します。
ソフトウェア関連銘柄、過去10年のPS倍率から分かる3つのポイント
筆者自身が調査した結論も同じでした。50社を超えるソフトウエア関連銘柄について、過去10年間のPS倍率を調べた結果、わかったことは次の通りです。
・パランティア以外にPS倍率が40倍を超えたのは5銘柄のみ。具体的にはアサナ[ASAN]、コンフルエント[CFLT]、スノーフレイク[SNOW]、ユーアイパス[PATH]、ユニティ・ソフトウエア[U]。
・PS倍率が50倍を超えたのはスノーフレイクのみ。2021年11月の60倍をわずかに下回る水準がピーク。
・バリュエーションがピークに達した後、5銘柄の株価はすべて12ヶ月で50%を超える下落となった。最終的に下落率は最大で70%を上回り、現在でも史上最高値を50%以上下回る。
今後パランティアに起こる3つの可能性
2025年2月13日時点でパランティアの予想PS倍率は56倍です。筆者が知る限りでは、バリュエーションがこの水準に達したソフトウエア銘柄は、過去10年間でスノーフレイクだけです。スノーフレイクの株価は、予想PS倍率が60倍近くでピークに達した後に急落しました。バリュエーションがピークをつけた当時、スノーフレイクの売上高は100%(2倍)を超える勢いで成長していただけに、このことは特に、厄介なのです。
比較ですると、パランティアの2024年12ヶ月間の売上高成長率は29%にすぎず、ウォール街の予想では2025年も32%です。一方、株価は2024年1月以降で585%上昇し、バリュエーション倍率に上昇圧力がかかっています。その結果、パランティアは現在、史上最も割高な銘柄の一つになっています。
これは、近いうちにパランティアの経営がつまずくということを意味するものではありません。しかし、入手可能なあらゆるデータはパランティアの予想PS倍率が将来、大幅に低下することを示唆しています。今後、ウォール街のアナリストがパランティアの予想売上高を大幅に引き上げる、パランティアの株価が急落する、あるいはその2つの組み合わせの3つのことが起こる可能性があります。
パランティアに魅力的な成長を期待できるのか/投資家にとって重要なこと
パランティアは優秀な企業ですが、現在の株価はリスクが大きいと思われます。市場調査会社インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)は最近、パランティアをデシジョン(意思決定)インテリジェンス・ソフトウエア市場のリーダーにランク付けしました。また、グローバル調査会社大手フォレスター・リサーチは、パランティアをAIプラットフォーム・テクノロジーのリーダーと評価し、パランティアのAIプラットフォーム「AIP」ソリューションに対し、アルファベット[GOOGL]傘下のグーグルやアマゾン・ドットコム[AMZN]、マイクロソフト[MSFT]の類似ソリューションよりも高いスコアを与えています。
こうした点において、パランティアは好位置につけています。IDCはAIプラットフォームへの支出が2028年まで年率40%で成長すると予想しています。すなわち、パランティアには非常に魅力的な成長を期待できるのです。しかし、最高の事業であっても、どんな値段で買ってもよいというものではありません。パランティアの予想PS倍率の高さは、無視してはいけない警鐘です。
現在、パランティアの株主であり、特にポートフォリオに占めるパランティア株の割合が高い場合は、売却によってポジション引き下げることを検討すべきと考えます。同様に、将来の購入を考えている投資家は、パランティアをウォッチリストに加えておくべきでしょう。将来、もっと適切な買い場が訪れると思われるからです。
例えば、スノーフレイクの株価は、本稿執筆時点で史上最高値を52%下回るとはいえ、最安値を77%上回っています。すなわち、投資家には2022年初頭の株価急落以来、スノーフレイク株で利益を上げる機会が何度もあったということです。これは、パランティアにもあてはまりそうです。重要なのは、驚くほど高いバリュエーションの銘柄を追いかけることではなく、適正な株価になるのを待つことなのです。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。John Mackeyはアマゾン・ドット・コムの子会社Whole Foods Marketの元最高経営責任者(CEO)であり、モトリーフール米国本社取締役会メンバーの一人です。アルファベットの役員であるSuzanne Freyはモトリーフール米国本社取締役会メンバーの一人です。元記事の著者Trevor Jennewineはアマゾン・ドット・コム、パランティア・テクノロジーズ、ユーアイパスの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアルファベット、アマゾン・ドット・コム、ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループ、マイクロソフト、パランティア・テクノロジーズ、スノーフレイク、ユーアイパス、ユニティ・ソフトウエアの株式を保有し推奨しています。モトリーフール米国本社はアサナ、コンフルエントを推奨し、次のオプションを推奨しています。マイクロソフト2026年1月限月395ドル・コールオプションをロング、マイクロソフト2026年1月限月405ドル・コールオプションのショート。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。