モトリーフール米国本社、2025年2月2日 投稿記事より
ストリーミング配信のトップを走るネットフリックス
ネットフリックス[NFLX]は改めて、ストリーミング配信のトップ企業が誰であるかを投資家に示しました。1月21日に、ネットフリックスは2024年第4四半期決算を発表しました。売上高の伸びは加速し、利益率は上昇、そしてストリーミング配信の総加入者数は3億人を超えるという素晴らしい内容でした。
予想通り、ネットフリックスの株価は、発表後の数日間に急騰しました。本稿執筆時点(2025年2月2日)の株価は1,000ドルをわずかに下回っています。1,000ドルという株価は、多くの場合、企業が株式分割を検討し始める水準です。ネットフリックスは過去に2回株式分割を実施しています。株価が上昇を続ければ、2025年に再び株式を分割する可能性があります。
好調だった四半期決算、株価上昇と高まる株式分割の可能性
2024年第4四半期の業績は、きわめて好調でした。年末までに1,890万人のストリーミング配信の加入者が加わり、有料会員の総数は3億160万人となりました。広告収入に支えられる低価格サービスや、新たに加わったNFLのアメリカンフットボール中継などのライブ配信は、世界中の視聴者を魅了し続けています。売上高は前年同期比16%増加して1,020億ドルに増加する一方、営業利益は同52%増の22億ドルでした。
1株当たり利益(EPS)は、長期的な株式投資リターンの源泉ですが、そのEPSは過去10年間で36.5倍に増加し(増加率は3,550%)、2024年には19ドル83セントに達しました。本稿執筆時点の株価は990ドル前後であることから、株価収益率(PER)は約50倍となっています。投資家は、ネットフリックスの業界をけん引するリーダーシップと成長に対してプレミアムを支払っていますが、実績を見れば納得でしょう。
経営陣は、成長が拡大する余地はまだ十分にあると考えています。ネットフリックスには、米国以外に投資する余地があるのです。広告付きサービスの収益化に取り組む一方、ライブイベントやスポーツ配信に投資する資金もあります。ネットフリックスは事業を展開する市場(ロシアと中国を除く)において、エンターテインメント支出のわずか6%しか獲得できていないと推計しています。今後、こうした分野で事業を伸ばすことができれば、数年間で大幅な追加収益を得ることが可能になります。
ネットフリックスが前回の株式分割を実施(1株を7株に分割)したのは2015年です。当時の株価は700ドル前後でした。それ以降、株価は10倍(上昇率は900%)近くに上昇しました。株価は4桁台に乗せようとしており、経営陣は再び株式分割を検討しているようです。株価が1,000ドルを超えると、従業員にストックオプションを付与すること、また、あらゆるタイプの投資家を引きつけるのが難しくなります。
現在の価格でネットフリックスへの新規投資は?
ネットフリックスが2025年に株式分割を実施する可能性は高いものの、確実ではありません。幸運にも、株式分割についてのネットフリックスの決定は、株式の長期的なパフォーマンスにはほとんど影響しないでしょう。
株式分割銘柄はアウトパフォームしないのか?ということについては、過去のデータはアウトパフォームを実証していますが、株式分割がその理由ではありません。アウトパフォームするのは通常、まずは株価を押し上げるような好業績があるのです。
長期的なリターンを上昇させるのにより重要なことは、投資家が株式を購入する際の株価と、株式を保有している間の利益成長です。その意味で筆者は、投資家は現時点でネットフリックス株を見送るのがベストであると考えています。これは、バリュエーションが高く、事業も成熟していることによるものです。すでに株主になっているのであれば、ネットフリックス株を売るべきという意味ではありません。現在は市場の期待が非常に高く、現在の株価で新規に投資するべきではないということです。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Brett Schafer は記載されているどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はネットフリックスの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。