トランプ米大統領は2月1日、メキシコ・カナダの輸入品に対して(一部を除く)、25%の関税を課す大統領令に署名し、マーケットに動揺が走りました。この対抗措置として、カナダ側も報復関税を適用と発表が入っており、米・加関係悪化が懸念される状況です。

これらの関税は2月4日から適用開始とのことですが、現在、マーケットはかなりネガティブに反応しています。

さらに、春節中の中国に対して10%の関税が課されたため、休み明けには具体的な報復措置に動いていくものと思われます。少なくとも10%以上の関税を米国に対して課すのではないでしょうか。よって、さらにマーケットは荒れるでしょう。

トランプ米大統領は公約通り動いているわけですが、第1期トランプ政権と比較して、かなりのスピード感を持って対応しているように感じられます。マーケットは楽観していたのかもしれません。この応酬合戦はしばらく続くのではないでしょうか。個人的な目線としてはネガティブに捉えている状況です。

BTC(ビットコイン)、1200-1250万円が短期的なターゲットか?

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析です。現在、SMA90(水色)にサポートされていますが、割り込んでいくと考えます。

目先のターゲットは大きく下方向に切り替えて、SMA200が推移する1200-1250万円あたりを意識したいと思います。さらにMACDはマイナス圏に入るため、下落トレンドが開始する可能性もあるでしょう。押し目買いはしばらく様子見とし、売りトレードで回していく予定です。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足に時間軸を落とします。1月の安値をつけた1400万円が目先のターゲットでしょう。すでに1500万円を割り込み、重要サポートを下回ったため、この価格帯から売りを推奨できるテクニカルポイントになります。

4時間足では1400万円を目指す展開を予想し、1500万円をバックに戻り売りトレードが無難ではないでしょうか。

ETH(イーサリアム)はトランプラリー上昇分を帳消しか

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャート分析に移ります。SMA200を割り込み、ここから大幅下落につながる可能性が出てきました。目先ターゲットは11月上旬のトランプラリースタート時点の価格帯でしょうか。かなり幅がありますが、35-38万円付近までの下値を予想し、売りトレード開始といたします。

MACDもしばらく0.00付近で推移するものの、ジリ下げ展開だったため、下落エネルギーがかなり貯まっていると予想します。40万円台では売りを継続し、30万円台中盤に到達するまでは売りトレードで回転させるとよいでしょう。ETH買いトレードはしばらく様子見とし、売り中心の戦略でいこうと考えています。

冒頭でもお話したように、トランプ関税は各国との貿易摩擦を起こし、双方で経済失速を招く可能性も考えられます。利下げができなくなる恐れもあり、暗号資産にとってもネガティブでしょう。第1四半期は高値更新の可能性が厳しいと考え、しばらくは売りトレード期間になりそうです。