1月18日、SNS上ではトランプ氏の公式暗号資産「$トランプ」の話題が注目を集めました。筆者が確認できた時点ではすでに10ドルを上回っていた状況でしたが、そこから1月19日には80ドル近辺まで8倍の上昇となりました。

トランプ氏自身が、Xの投稿で「$トランプ」が自身のミームコインであると公言したことから買いが買いを呼び込み、暗号資産において時価総額50位だったのが一気に13-15位まで上昇。時価評価156億ドル相当(約2.4兆円)にまで急増しました。

その後、「$トランプ」は乱高下し、現在は95億ドルで推移しています(47-48ドル近辺で推移)。24時間中の取引高は筆者が確認できただけでも6兆円を超えており、東証の取引高を凌駕する商いとなりました。

ただ、1月20日朝、トランプ夫人の公式暗号資産「$メラニア」も登場し、今度は市場が嫌気を差したのかBTCをはじめ全てのアルトコインが急落しました。「$メラニア」を購入するために利食いが入ったことがトリガーではないかと予想しますが、「$トランプ」も急落しました(75ドルから一時40ドル割れ)。

BTC(ビットコイン)、史上最高値突破寸前でお預けに

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析から入ります。円建てでは史上最高値突破寸前まで上昇していましたが、1月20日早朝から6%程度の急落となりました。ドル建てでは一時10万ドルを割り込み、少々ヒヤリとする局面でしたが、現在は10万ドルまで回復させています。

日本時間1月21日未明にはトランプ米大統領就任演説が予定されていますが、ビットコイン準備金戦略についてコメントが出るかどうかが注目されます。ただ、1月20日朝の急落で市場が痛んでいると思われることから、上昇した分は一部の利食いが入ってくると推測します。

また1月20日夜、ポジティブな材料が出た場合もそこまで上昇に繋がらなければ「セル・ザ・ファクト」にも注意しなければなりません。そのため、この値動きに注意しながらレバレッジは低く抑えて運用するのがよいのではないでしょうか。

チャート的には天井圏を形成中といった具合で、1月20日夜のファンダメンタルズ次第と考えます。テクニカル分析は、日足レベルで一旦スタンバイするのがよいでしょう。

ETH(イーサリアム)はSMA200からの押し目買いを

【図表2】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャート分析です、上値がかなり重くなってきました。資本が一部流出しているようで、主役をトランプコインに取られている状況です。

ETHを売却し、「$トランプ」を購入するディールが活発化されていると思われます。この値動きはもうしばらく続くと予想しますが、ETHに限った話ではありません。アルトコイン全体的に価格を下げており、その資本の多くがトランプコインに向かっているようです。引き続き、この流れは継続すると考え、注意しておきたいところです。

ETHは下降トレンドラインが存在しますが、この付近からの戻り売りがよさそうです。安値で拾いに行く場合は、SMA200(橙)のサポートからの押し目買いを狙いたいと思います。およそ45万円付近まで待ってからのエントリーを意識しています。

いずれにしても、トランプ米大統領の就任演説によって、金融市場は大きく動くと考えられます。レバレッジは低く抑えて対応していきましょう。