【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,487.83  △334.70 (1/17)
NASDAQ: 19,630.20  △291.91 (1/17)

1.概況

先週末の米国市場は、主要3指数が揃って上昇となりました。国際通貨基金(IMF)が17日に発表した世界経済見通しによると、米国の2025年の成長率予想は前回から0.5ポイント引き上げられ、2.7%と発表されました。

また、寄付き前に公表された12月の米鉱工業生産指数と米住宅着工件数も市場予想を上回る結果を示すと、米経済が堅調さを維持しているとの見方からダウ平均は159ドル高で取引を開始しました。米経済が強さを示す一方で、16日にはFRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事が12月の米CPI(消費者物価指数)について「非常に良好」と評価し、「今後も同様の数字が続けば、今年前半に利下げが行われる可能性が高い」と述べました。この発言を受け、長期金利の上昇は限定的となり、ダウ平均は寄付き後も上昇し、上げ幅は一時500ドル高に達しました。

取引終盤にかけては上げ幅を縮めていくも、結局334ドル高の43,487ドルで取引を終え、反発となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は291ポイント高の19,630ポイントと大幅反発しました。S&P500株価指数も59ポイント高の5,996ポイントと反発して取引を終えています。

2.経済指標等

12月の米住宅着工件数は年率換算で前月比15.8%増の149万9000戸となり市場予想を上回りました。また、12月の米鉱工業生産指数は前月比0.9%上昇で0.4%上昇程度を見込んだ市場予想を上回りました。12月の設備稼働率は77.6%となり、市場予想と前回結果を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9業種が上げました。特に一般消費財・サービスや情報技術、コミュニケーション・サービスは1%以上上昇しました。一方で、ヘルスケアと不動産の2業種が小幅に下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では30銘柄中23銘柄が上昇しました。特にエヌビディア[NVDA]が3%超上昇し、アマゾン・ドットコム[AMZN]とゴールドマン・サックス[GS]も2%以上上昇しました。そのほかにも、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]やキャタピラー[CAT]、セールスフォース[CRM]など8銘柄が1%以上の上昇を記録しています。一方で、7銘柄が下落となり、特にメルク[MRK]は3%近く下落しました。また、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]が1%以上下落したほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]やナイキ[NKE]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、シャーウィンウィリアムズ[SHW]、ハネウェル・インターナショナル[HON]が小幅に下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、インテル[INTC]が買収の標的になっていると報じられ、9%以上上昇しました。また、半導体のクォルボ[QRVO]はアクティビスト(物言う株主)として知られるスターボードが同社株を7.7%取得したことが伝わり、企業改革の期待から14.4%上昇しました。一方で、物流サービスのジェイビー・ハント・トランスポート・サービシズ[JBHT]は、四半期決算にてEPS(1株当たり純利益)が市場予想を下回り、7.4%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日比0.02%高い4.63%となりました。ドル円は、156円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、先週末に米国主要3指数が揃って上昇した流れを引き継ぎ、反発して始まることが予想されています。一方で、金曜日に控えている日銀金融政策決定会合では利上げ観測が高まっており、株式市場への逆風が懸念されます。このような状況の中で、日経平均は3万9000円台の回復に向けて上げ幅を広げられるかがポイントとなりそうです。

また、米国では本日1月20日(日本時間1月21日)に大統領の就任式を控えており、トランプ氏の大統領就任直後の発言や挙動に注目が集まります。なお、本日夜の米国市場はマーティン・ルーサー・キング・デーのため、休場となります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)