【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,221.55  △703.27 (1/15)
NASDAQ: 19,511.23  △466.84 (1/15)

1.概況

米国市場は取引開始前に発表された米大手銀行決算と米消費者物価指数(CPI)を受けて、大幅上昇となりました。寄り付き前に発表された米CPIは、総合指数は予想通りだったものの、コア指数が予想を下回り、前日の米生産者物価指数(PPI)とあわせて、インフレ再燃懸念と利下げペースの鈍化懸念を和らげる結果となりました。

ダウ平均は409ドル高で取引を開始すると、午前中には一時751ドル高まで上げ幅を広げました。その後、昼にかけては524ドル高まで上げ幅を縮める場面もありましたが、取引終盤にかけては再び上げ幅を広げていき、結局703ドル高の43,221ドルで取引を終え、3日続伸となりました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は466ポイント高の19,511ポイントで取引を終え、6日ぶりに反発となりました。S&P500株価指数も107ポイント高の5,949ポイントで取引を終え、3日続伸しています。

2.経済指標等

12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.9%上昇と前月の2.7%から伸びが加速したものの、市場予想と一致しました。一方、変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比3.2%上昇と前月から伸びが鈍化し、市場予想も下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち10業種が上げました。特に一般消費財・サービスが3%以上上昇したほか、コミュニケーション・サービスや金融、情報技術が2%以上上昇、公益事業とエネルギーも1%以上上昇しました。一方で、生活必需品はわずかに下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄のうち23銘柄が上昇しました。特に取引開始前に好決算を発表したゴールドマン・サックス[GS]は6%以上上昇したほか、アメリカン・エキスプレス[AXP]も4%近く上昇しました。そのほか、エヌビディア[NVDA]とホームデポ[HD]が3%以上上昇し、マイクロソフト[MSFT]やアマゾン・ドットコム[AMZN]、ビザ[V]は2%以上上昇しました。また、取引開始前に決算を発表したジェイピー・モルガン・チェース[JPM]は2%近く上昇しています。一方で、セールスフォース[CRM]やコカコーラ[KO]、ボーイング[BA]などの7銘柄が1%未満の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、銀行株が相次ぎ好決算を公表し上昇が目立ちました。バンク・オブ・ニューヨーク・メロン[BK]が8%以上上昇したほか、ウェルズ・ファーゴ[WFC]とシティグループ[C]は6%以上上昇しました。また、米資産運用会社大手のブラックロック・ファンディング[BLK]は、2024年12月通期の増収、増益を達成し、増配を決定したことで5.2%上昇しました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日比0.14%低い4.65%となりました。ドル円は、円高方向に進展し、156円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場は、米CPIがインフレ再燃懸念を和らげる結果となったことに加え、米大手銀行による好決算が発表されたことを受けて、大幅高となりました。日本市場はこの流れを受けて、反発してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は、3万9000円台回復に向けて、円高進展がやや逆風となるなかでどこまで上げ幅を広げられるかがポイントとなりそうです。また、本日午後には台湾積体電路製造(TSMC)の決算が公表される予定であり、前後の半導体関連株の動きに注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)