東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反発となりました。前日の米国市場にて主要3指数が揃って上昇した流れを引き継ぎ、日経平均は131円高の39,168円で寄り付きました。朝高の後は下落に転換し、9時54分には109円安の38,927円をつけ本日の安値を更新しました。その後は底堅さも見られるも、39,000円を挟んで一進一退で推移し、前場は46円安の38,990円で小幅に下落し取引を終えました。
後場も基調は変わらず、序盤は39,000円を割り込んだ安値圏で推移し、13時40分頃、一時反転するも再び売られる展開となりました。その後は39,000円を挟んでもみ合うも、大引け前に上昇に転じ、最終的には93円高の39,130円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が反発、0.2%高となりました。
2.個別銘柄等
トヨタ自動車(7203)が4.6%高で反発となりました。自己資本比率(ROE)の目標を2倍の20%に引き上げるといった日経新聞の報道を材料に、収益性や資本効率の改善を期待した買いが入りました。
セブン&アイ・ホールディングス(3382)は2.7%高となり反発で取引を終えました。傘下のスーパー等の非中核事業を束ねる中間持ち株会社の株式売却手続きに関する一次入札において、米ファンドが企業価値として1兆円前後を提示したと伝わり、高値での売却を期待した買いが集まりました。
セガサミーホールディングス(6460)は9.3%高をつけ3日続伸となりました。国内証券が投資判断と目標株価を引き上げたことが買い材料となりました。来期はゲーム等のエンタメコンテンツ事業が大幅増益となる見通しがアナリストレポート内で示されています。
サンリオ(8136)が3.9%高となり続伸で取引を終えました。取引時間中に「株式の売出しに関するよくあるご質問と回答について」と題した書面を開示し、2027年3月期に向けて想定を上回って業績が推移した際には自社株買いを含めた追加的な株主還元を検討するとしたことが好感され買いにつながりました。
第一三共(4568)は1.4%安で反落となりました。24日に開発中の一部の肺がん治療薬候補について欧州医薬品庁(EMA)に提出していた販売承認申請を自主的に取り下げたことで株価はネガティブに反応する結果となりました。
その他の銘柄では、目標株価の引き上げを受けて日本オラクル(4716)は0.8%高で3日続伸、エンタメ事業のGENDA(9166)はアミューズメント施設と外貨両替の2社の買収を発表したことで、今後の業績拡大を期待した買いが入り2.0%高、3日ぶりに反発し取引を終えています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は引けにかけて上昇し0.2%高で取引を終えました。午後に開かれた経団連審議員会での植田日銀総裁の講演も新しい材料に欠け、相場への影響は限定的となりました。足元では、損益通算を目的とした個人の売り圧力が指摘されており、明日もその影響が一定程度考えられます。
引け後にはJ.フロント リテイリング(3086)の決算が予定されており、ウィンターシーズンの小売動向に注目が集まります。なお、今晩の米国市場はクリスマスの祝日で休場です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)