今週(12月13日~12月19日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):史上最高値を更新するもFOMC前後で急落
ビットコインは、現物ETFへの資金流入が継続する中で史上最高値を更新したが、その後、FOMC前後の警戒感から急落した。
米トランプ次期大統領が公の場で暗号資産推進を強調し、ビットコイン準備金の実現への期待が高まったことで、ビットコインの買いが強まった。マイクロストラテジー[MSTR]が正式にナスダック100指数へ組み入れられることが発表されたことも好感された。また、同社やライオット・プラットフォームズ[RIOT]など企業によるビットコイン購入が相次ぎ、現物ETFは数億ドル規模の資金流入を連日で記録した。こうした中、ビットコインはBTC=1,663万円(108,000ドル)付近まで高騰し、史上最高値を更新した。
しかし、その後はFOMCを前にリスクオフの動きが強まり、ビットコインは次第に売りが強まった。FOMCでは、0.25ポイントの連続利下げが決定されたものの、2025年の利下げ見通しが2回に半減した。これを受け、米国金利が急上昇したことで米国株が大幅下落し、ビットコインも同様にBTC=1,540万円(100,000ドル)付近まで急落した。また、パウエルFRB議長が「現状はFRBがビットコインを保有することはできない」と述べたことも売りを強めた。
※1ドル=154円で換算

来週(12月20日~12月26日)の相場予想
BTC(ビットコイン)はクリスマス休暇前後の売りに警戒、米国では政府機関閉鎖の懸念も
来週は、米国など多くの国がクリスマス休暇になり、取引参加者が減ることが予想される。米国では暗号資産関連の好材料が続いており、相場が大きく崩れることは考えづらい。一方で、今回のFOMCで2025年の利下げ見通しが想定より緩やかになったことで、利益確定売りが強まる可能性がある。米国のつなぎ予算案を巡って政府機関閉鎖の可能性が出ており、政情が不安定化した場合には株式とともに下落する恐れもある。
また、企業や機関投資家の休暇入りとともに、ビットコインの値動きが落ち着けば、個人投資家を中心にアルトコイン物色が強まることが考えられる。クリスマスの休場中は現物ETFの取引もできないため、市場の主役がアルトコインに移り、ボラティリティが高まることに警戒すべきだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,663万円(108,000ドル)、下値はBTC=1,417万円(92,000ドル)を意識する。