G7協調介入は2回、それ以外はすべて日本単独介入=2000年以降
日本の通貨当局は、2022年に3営業日、2024年には4営業日、円安阻止の米ドル売り・円買い介入を行った。また、2026年も、これまでに3営業日程度、円安阻止の米ドル売り・円買い介入を行った可能性が高い(図表1参照)。
2000年以降、2022年より前の為替介入はすべて円高阻止の米ドル買い・円売り介入だった。唯一の例外が、2000年9月、G7(主要7ヶ国財務相会議)協調介入の枠組みで行われたユーロ買い・円売り介入だった(図表2参照)。また、米ドル買い・円売りではあったが、2001年9月11日の米同時多発テロ事件を受けた米ドル急落に対して行われた為替介入も、G7協調介入だった。
日本の介入は26年間で9年=多い介入の一因はよく動いた米ドル/円
この2回の協調介入を除けば、円買い・円売りともすべて日本の通貨当局による単独の為替市場介入だった。日本の単独介入があったのは、2000年、2002年、2003年、2004年、2010年、2011年、2022年、2024年、2026年である。2000年以降の26年間のうち、9年と概ね3年に1回のペースで為替介入を行ってきたことになる。2000年以降、米国とユーロ圏の当局が、2度のG7協調介入以外の為替介入がなかったことに比べると、日本の介入の多さは際立っている。
その背景には、米ドル/円がユーロ/米ドルに比べて大きく動くことが多かったことがあったのではないか。米ドル/円は2010年以降も、5年MA(移動平均線)かい離率が±2割以上に拡大したケースが何度もあった(図表3参照)。この中で、いわゆるアベノミクス円安のピーク、2015年以外はすべて為替介入が行われた。その意味では、時に急激な円高、急激な円安が起こったことから為替介入を余儀なくされたということが基本だったのだろう。
一方で、ユーロ/米ドルは、2010年以降は5年MAかい離率が±2割以上に拡大したことが一度もなかった(図表4参照)。その意味では、ユーロ/米ドルは為替介入が必要なほど急激な動きにならなかったということが基本だったのではないか。
過去には11ヶ月連続介入も=円安阻止介入の制約は保有外貨
2000年以降の日本の為替介入の中でも、「回数」が突出して多かったのは2003~2004年にかけての局面だ。ここでは2003年5月~2004年3月にかけて11ヶ月連続で円高阻止の米ドル買い・円売り介入が行われた(一部ユーロ買い・円売り介入もあり)。
この局面での為替介入は、最近の介入に比べると少額で、1営業日当たりの最高でも1兆円にとどまっていた。基本的には、1営業日で数千億円程度の介入を連日のように繰り返すスタイルだった。これを見ると、少なくとも当時、介入の「回数」にはほとんど制約がなかったようだ。
もう1つ、これだけ介入を続けられたのは円高阻止のため、実質的には無限に保有できる自国通貨である円を売る介入だったからだろう。これに対して現在は自国通貨防衛、つまり円安阻止のため売却する米ドルなど外貨の保有に限度がある。その意味では円安阻止介入の制約は、米ドルなど外貨の売り介入を無限に続けられないことだろう。
