【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 43,449.90 ▼267.58 (12/17)
NASDAQ: 20,109.06 ▼64.83 (12/17)
1.概況
米国市場は主要3指数が揃って下落となりました。寄付き前に公表された12月の米小売売上高は、自動車販売が好調で市場予想を上回る伸びを示しました。米消費の底堅さを示したことで、2025年の利下げ頻度が少なくなるなどの見方から投資家心理は重く、ダウ平均は61ドル安で取引を開始しました。
その後も終日軟調に推移し、下げ幅は一時381ドル安まで拡大しました。引けにかけては底を打ち反転しましたが、結局ダウ平均は267ドル安の43,449ドルで取引を終え、約47年ぶりの9日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は64ポイント安の20,109ポイントで取引を終え、3日ぶりに反落となりました。S&P500指数も23ポイント安の6,050ポイントとなり反落しています。
2.経済指標等
12月の米小売売上高は前月比0.7%となり、前回結果の0.5%(0.4%から上方修正)と、市場予想の0.5%を上回りました。一方、自動車を除いたコア小売売上高は0.2%と前月から横ばいで市場予想の0.4%を下回りました。11月の鉱工業生産指数は0.1%増を見込んだ市場予想に反して、0.1%低下となりました。また、11月の米設備稼働率は76.8%となり、市場予想と前回結果を下回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち一般消費財・サービスの1業種のみが1%未満の小幅な上昇となりました。一方、資本財・サービスやエネルギー、金融などの10業種が1%未満の下落となりました。
4.個別銘柄動向
米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中9銘柄が上昇となり、なかでも、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]やコカコーラ[KO]、ナイキ[NKE]が1%超上昇しました。一方で、20銘柄が下落となり、なかでもユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が2%超下落しました。また、ゴールドマン・サックス[GS]が2%近く下落したほか、セールスフォース[CRM]やエヌビディア[NVDA]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、スリーエム[MMM]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]が1%超下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ[TSLA]が3.6%高で3日続伸し、史上最高値を更新しました。また、取引開始前にガイダンスを公表した米医薬品大手のファイザー[PFE]は、2025年度の売上高と利益の見通しがアナリスト予想とほぼ一致し一部の投資家の懸念を和らげ、4.7%高となりました。一方で、12日の決算後、大幅高が続いていた半導体のブロードコム[AVGO]は、この日は3.9%安となりました。また、エンジニアリングおよびテクノロジーソリューション企業のアメンタム・ホールディングス[AMTM]は、四半期決算にて、売上高が市場予想を大きく下回り、9.6%安となりました。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの4.40%となりました。ドル円は、153円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、米国株安の流れを引継ぎ下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は、FOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀政策決定会合を目前に控え、神経質な展開が続きそうです。一方、本田技研工業(7267)と日産自動車(7201)が経営統合に向けた協議に入ることが報じられました。将来的には三菱自動車(7211)の合流も視野に入れるとのことで、自動車関連銘柄の盛り上がりが期待されます。また、本日は半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(285A)が、東証プライム市場に新規株式公開(IPO)する予定です。初値や株価動向に注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)