【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,828.06  ▼86.06 (12/13)
NASDAQ: 19,926.72  △23.88 (12/13)

1.概況

先週末の米国市場は、小幅に高安まちまちとなりました。15ドル高で取引を開始したダウ平均は一時140ドル高まで上昇しましたが、インフレ懸念の高まりを背景とした長期金利の上昇を受けて買いの勢いは続かず下落に転じ、その後は前日の終値付近での軟調な推移が続きました。一方、半導体のブロードコム[AVGO]が決算を受け急伸するなど情報技術セクターの一角に買いが入り、下値は堅く推移しました。

最終的にダウ平均は86ドル安の43,828ドルで取引を終え、2020年2月以来4年10ヶ月ぶりの7日続落となりました。また、S&P500株価指数は前日比ほぼ横ばいの6,051ポイントで取引を終了しました。一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は23ポイント高の19,926ポイントとなり、小幅に反発しました。

2.経済指標等

11月の米輸入物価指数は前月比0.1%上昇と小幅な伸びにとどまるも、0.3%低下を見込んだ市場予想は上回りました。また、10月分は0.1%上昇と、0.3%上昇から下方改定されています。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち情報技術、一般消費財・サービス、公益事業、ヘルスケアの4業種が上昇となりました。一方、7業種が下落し、特にコミュニケーション・サービスは1%以上の下落となりました。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中13銘柄が上昇となり、なかでも、ボーイング[BA]が1%超上昇しました。そのほか、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]やユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、メルク[MRK]などが1%未満の上昇となりました。一方で、17銘柄が下落となり、なかでもエヌビディア[NVDA]が2%超下落したほか、ウォルト・ディズニー[DIS]やアムジェン[AMGN]、コカコーラ[KO]、セールスフォース[CRM]、ゴールドマン・サックス[GS]が1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のブロードコムが12日公表した決算にて、AI(人口知能)向け需要が好調で、売上高が前期比44%増となったほか、市場予想を上回るガイダンスも公表し、株価は24.4%上昇、時価総額は1兆ドルを突破しました。また、通信のシエナ[CIEN]は目標株価の引き上げを受けて、6.2%上昇しました。一方で、アナリストによる住宅セクターの投資判断引き下げを受けて住宅建設会社は下落となり、トール・ブラザーズ[TOL]は3.3%安、KBホーム[KBH]は2.9%安、DRホートン[DHI]は0.9%安となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%高い4.39%となりました。ドル円は、円安方向に展開し153円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、先週末の米国市場が小幅に高安まちまちで終えた流れを受け、小動きで始まると予想されます。このような中、日経平均は先週の勢いを引き継ぎ、米ブロードコム株の上昇や円安などを追い風に上昇となるか注目が集まりますが、週内にはFOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀の金融政策決定会合を控えており、神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)