【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 45,014.04  △308.51 (12/4)
NASDAQ: 19,735.12  △254.21 (12/4)

1.概況

米国市場では主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。235ドル高で取引を開始したダウ平均は、寄付き後に上げ幅を縮小し、一時120ドル高まで下げましたが、その後買いが再び強まりました。

午後にかけては再び伸び悩む場面が見られ、一時94ドル高まで上げ幅を縮めましたが、終盤にはFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が米経済に楽観的な見解を示したほか、地区連銀経済報告(ベージュブック)で経済活動の拡大傾向が確認されたことを受けて、上げ幅を再び拡大しました。最終的にダウ平均は308ドル高の45,014ドルで取引を終え、史上最高値を更新しました。

また、S&P500株価指数は36ポイント高の6,086ポイントまで上昇し、4日続伸して史上最高値を更新しました。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も254ポイント高と大幅に上昇し、19,735ポイントで取引を終え、史上最高値を更新しました。

2.経済指標等

11月の米ADP雇用者数は前月比14.6万人増と、市場予想(16.0万人増)と前回結果(18.4万人増)を下回りました。11月のISM非製造業景気指数は52.1と市場予想(55.5)と前回結果(56.0)を下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち5業種が上げ、なかでも情報技術と一般消費財・サービスは1%以上上昇しました。一方で、6業種が下げ、エネルギーが2%以上下落したほか、素材や金融、不動産などが1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中16銘柄が上昇となり、なかでも、決算を受けてセールスフォース[CRM]が10%超上昇したほか、エヌビディア[NVDA]が3%超上昇、アマゾン・ドットコム[AMZN]とボーイング[BA]が2%超上昇、アイビーエム[IBM]やマイクロソフト[MSFT]などが1%超上昇しました。

一方で、14銘柄が下落となり、なかでもベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]は3%近く下落したほか、コカコーラ[KO]とシェブロン[CVX]が2%超下落、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]が1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、サービスナウ[NOW]がAmazon Web Services(AWS)との連携の拡大を発表したほか、アナリストによる目標株価の引き上げなどを受けて、6.2%上昇しました。

また、半導体のマーベル・テクノロジー・グループ[MRVL]は、AIの旺盛な需要により同社のデータセンター部門が好調で、第3四半期決算で売上高とEPS(1株当たり利益)が市場予想を上回ったほか、第4四半期のガイダンスも市場予想を上回る見通しを示したことで、23.2%上昇しました。

一方で、靴小売のフット・ロッカー[FL]は第3四半期決算で売上高とEPSがともに市場予想を下回ったほか、通期の見通しも下方修正したことで、8.9%下落しました。また、石油・ガスのテキサス・パシフィック・ランド・コーポ[TPL]は11.6%下落し、S&P500株価指数構成銘柄の下落率トップとなりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い4.18%となりました。ドル円は、150円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国株高と円安進行を受け、上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円や長期金利の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)