東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、小幅に上昇となりました。前日の米国ハイテク株高を引き継ぎ、105円高の39,354円で寄り付いた日経平均は、その後は短期的な過熱感も意識され、9時半を過ぎてから一転して反落となりました。ドル円相場が円高に推移したことも輸出関連株を中心に重石となり、前場はそのまま下落基調で推移し、171円安の39,077円で前引けとなりました。
後場寄りは持ち直し、下げ幅を縮小する展開となりました。前日終値である39,248円付近でもみ合うも、14時過ぎから買いが優勢となりました。また、日銀の利上げ観測後退の報道も相まって、上げ幅を拡大する展開となりましたが、終盤にかけては伸び悩み、最終的には27円高の39,276円とかろうじて3日続伸で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が反落、1.3%安となりました。
2.個別銘柄等
良品計画(7453)が一時7.5%高をつけ年初来高値を更新し、6日続伸となりました。前日3日に11月の売上高が前年同月比19.2%増と堅調な売り上げ動向を発表したことや、同日海外証券によって同社の目標株価を引き上げたこと等が買い材料となりました。
ファーストリテイリング(9983)も11月の既存店売上高が堅調であることを示し、2.4%高で続伸となりました。値がさ株である同社は本日の日経平均を約110円押し上げました。冬物商品の販売動向や40周年感謝祭等により売り上げが好調で前年同月比12.2%の増収を発表しています。
荏原製作所(6361)が2.6%高で取引を終え、3日続伸となりました。海外証券によって、新たに同社のレーティングが開始され、投資判断は最上位、目標株価は2,600円と発表されたことが材料視されました。
サッポロホールディングス(2501)は一時2.0%高をつけ、連日年初来高値を更新する5日続伸となりました。傘下のサッポロビールにて主品目の値上げや不動産事業改革への期待から買いが集まっています。
オフィス家具大手の内田洋行(8057)は一時8.3%安をつけ年初来安値を更新、大幅続落となりました。前日に発表した第1四半期の中で、純利益は前年同期比46.2%減の12億円と、大幅減益となったことが嫌気されました。
エイチーム(3662)が13.6%高で続伸、年初来高値を更新しました。新たに株主優待制度の導入を発表し、前日はストップ高となる大幅反発となる中で、本日も勢いを落とすことなく上昇しました。株主優待は、1月・7月末時点で500株以上を保有する株主に対し、QUOカードを年間2万円分進呈するものとされています。
その他の銘柄では、海外証券により投資判断と目標株価の引き上げのあったアイシン(7259)が2.6%高、防衛予算拡大によって受注高や収益拡大が見込まれると指摘された東京計器(7721)が8.8%高、電子部品メーカーのホシデン(6804)が転換社債(CB)型新株予約権の発行を発表し、株式の希薄化が意識されたことから8.5%安で取引を終えました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は小幅に上昇、TOPIXは3日ぶりに反落となりました。短期的な過熱感も意識される中、日銀の利上げ観測の後退といった報道等から方向感に欠ける1日となりました。
本日パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言が討論会にて予定されています。ここ数日、FRB高官の発言の場が注目される中で、データ次第のスタンスに変更はないと考えられますが、12月利下げの地固めとなるか、パウエル議長の発言に注目です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)