5日移動平均線上を回復できるか注目
前回のコラムでは「下降トレンドの発生」について、警戒が必要と解説しました。また、「38,000円を終値で維持できるかがレンジ相場を維持するカギになると思われます」とも解説しました。実際、2月28日に一気に38,000円を下回って終えると、3月に入って取引時間中に2月28日の安値を下回る場面があるなど、レンジ相場を下放れて下降トレンドが発生しているのが分かります。
そうしたなか、今回注目されるのは下向きの5日移動平均線です。5日移動平均線と株価の関係を見ると、2月20日に株価が5日移動平均線を下回るとともに5日移動平均線が下向きに変化すると、その後は5日移動平均線に上値を押さえられた状態が続いているのが分かります。
そのため、これまで解説しているように、下向きの5日移動平均線上を回復して維持できるかどうかが注目ポイントになります。仮に5日移動平均線上を回復して維持するようなら、5日移動平均線が下向きから上向きに変化してサポートになるとともに、下向きの25日や75日移動平均線辺りまで戻すことが期待されます。
またそのとき、38,000円を上回って維持するようなら、レンジ相場に戻ることも視野に入ってきます。一方で、5日移動平均線を上回っても押し返されたり、5日移動平均線を下回ったままの状態が続いたりするようなら、終値で37,000円を割り込み、2024年9月につけた安値36,000円前後まで下落する可能性が高まるため要注意です。

モメンタムが上向きに変化するか、目が離せない1週間に
続いて、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回って低下しているのが分かります。
また、わずかですが1月17日につけた低い水準を下回っており、下落の勢いが強まっています。そのため、2本線が上向きに変化するかが今後の注目ポイントです。仮に2本線が低下しても限定的だったり、上向きに変化して上昇したりするようなら、下落の勢いが弱まり、5日移動平均線上を回復することが期待されます。さらに0ラインを上回って維持するようなら、下向きの25日や75日移動平均線辺りまでの反発も視野に入ると思われます。
一方で、2本線が上向きに変化しても限定的だったり、下向きのまま低下が続いたりするようなら、下向きの5日移動平均線に押し返された状態が続くこと考えられ、リバウンド狙いの買いは控える必要があると思われます。
下降トレンドが発生中の日経平均ですが、下げ止まるのかそれとも下降トレンドが続くのか、目が離せない1週間になりそうです。