【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,729.93  △1,508.05 (11/6)
NASDAQ: 18,983.47  △544.30 (11/6)

1.概況

米国市場では、米大統領選挙で共和党候補トランプ氏の当選が確実となり、主要3指数がそろって大幅に上昇し、最高値を更新しました。事前予想では勝敗が読みにくく、結果判明までに時間がかかると予測されていたため、不確実性が早期に解消されたことで、ダウ平均は628ドル高で取引を開始しました。寄り付き後には長期金利の上昇や関税強化による米経済への影響が懸念され、伸び悩む場面も見られましたが、トランプ氏の減税延長や規制緩和といった政策期待から、関連銘柄や景気敏感株、銀行株が大幅に上昇し、相場を押し上げました。午後も買いの勢いが続き、最終的にダウ平均は1,508ドル高(+3.57%)の43,729ドルで引けました。また、S&P500株価指数は146ポイント高(+2.52%)の5,929ドル、ナスダック総合株価指数は544ポイント高(+2.95%)の18,983ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

トランプ氏が大統領に就任した際の政策の方向性を先取りする形で、セクター間には強弱が見られました。S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち8業種が上昇しました。特に金融が6%超の上昇となり、資本財・サービス、一般消費財・サービス、エネルギーもそれぞれ3.5%超上昇しました。情報技術とコミュニケーション・サービスも2%超の上昇を記録しています。一方、不動産、生活必需品、公益事業の3業種は下落し、不動産は2.5%超、生活必需品は1.5%超、公益事業は1%近く下落しました。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄のうち19銘柄が上昇しました。特に金融や景気敏感株の上昇が顕著で、ゴールドマン・サックス[GS]とジェイピー・モルガン・チェース[JPM]は10%以上、キャタピラー[CAT]は約9%の上昇を見せました。さらに、アメリカン・エキスプレス[AXP]とインテル[INTC]は7%前後上昇、スリーエム[MMM]とユナイテッドヘルス・グループ[UNH]も5%超上昇し、上昇したその他の多くの銘柄も2%超の伸びを記録しました。一方、11銘柄が下落し、ナイキ[NKE]が3%超の下落、ホームデポ[HD]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、コカ・コーラ[KO]、ボーイング[BA]は2%超の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、トランプ氏が当選確実となったことを材料に明暗を分ける展開となりました。トランプ氏が運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ[DJT]は、6%近く上昇しました。なお、同社は前日引け後の第3四半期決算で1900万ドル超の最終損益の赤字を計上しています。また、選挙戦でトランプ氏を支援したイーロン・マスク氏が率いるテスラ[TSLA]は14.8%上昇しました。銀行株も大幅に上昇し、ウェルズ・ファーゴ[WFC]が13.1%、バンク・オブ・アメリカ[BAC]とシティグループ[C]が8.4%の上昇を記録しました。一方で、クリーンエネルギー関連株は軒並み下落し、エンフェーズ・エナジー[ENPH]が16.8%下落、ファースト・ソーラー[FSLR]が10.1%下落しました。また、第1四半期の暫定決算を発表したスーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は、売上高見通しが市場予想を下回ったことで18.1%の下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.16%高い4.43%となりました。ドル円は、円安方向に展開し、154円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株の大幅高を受けて、上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は、大台の4万円台回復となるかに注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)