東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、大幅反発となりました。衆院選を与党の過半数割れの結果で終えるも、イベント通過しリスクオンムードとなったことや足元のドル円相場が1ドル153円台で推移したことで、輸出関連株が指数を押し上げました。
前場は、前週末比155円安の37,757円で寄り付いた日経平均ですが、その後は急騰し、9時20分頃には、744円高の38,658円まであげる等、堅調に推移しました。高値をつけると利益確定の売りが入り、前場は549円高の38,463円で取引を終えました。
後場も堅調に推移し、14時過ぎには本日の高値となる38,740円をつけ、800円超上げる場面も見られました。セクターでは円安基調から、輸送用機器や海運が強く、最終的には691円高の38,605円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が5日ぶり大幅反発、3.5%高となりました。
2.個別銘柄等
信越化学工業(4063)が、前週末比167円(2.9%)安の5,593円をつけ、6日続落となりました。25日の今期の中間決算にて、累積営業利益は前年同期比6.2%増の4,057億円と、市場コンセンサスを上回る結果を発表するも、株価は軟調に推移しました。通期での業績予想を据え置いたことが嫌気されました。決算はシリコンウエハーで利益を伸ばすも、塩化ビニール樹脂関連が利益を押し下げる内容となっています。
中外製薬(4519)は前週末比、一時1,000円(14.6%)高の7,869円とストップ高となり、上場来高値を更新する場面が見られました。通期の業績を上方修正したことが好感されています。第3四半期の累積営業利益は前年同期比31.8%増の4,186億円で、市場コンセンサスも大きく上回る内容であり、同社製品の好調な海外輸出動向が寄与しました。
ファナック(6954)は前週末比129円(3.3%)高の4,016円をつけ、続伸となりました。堅調な決算内容と、通企業績の上方修正の発表を材料に買いが先行しました。中間決算での累積営業利益は前年同期比13.6%増の755億円で、通期では従来予想よりも78億円上方修正する1,508億円としています。先行きでは、スマホ製造等で使うロボマシンの受注が回復する見込みとし、こちらも買い材料となりました。
東京製鐵(5423)は前週末比205円(11.3%)安の1,608円をつけ、大幅反落となりました。減収減益となった決算内容と、通期業績の下方修正の発表が株安へとつながりました。25日の中間決算にて、累積営業利益が前年同期比35.4%減の139億円となり、通期では従来予想よりも80億円減収となる240億円を見込んでいます。主な要因は中国からの鋼材輸出の増加に伴う市況悪化等、鋼材需要の伸び悩みによるものとしています。
その他の銘柄では、キッコーマン(2801)が前週末比90円(5.3%)高の1,795円をつけ、大幅反発となりました。25日に、150億円を上限とする自社株買いを実施するとの発表をうけて、株価は急騰しました。オリンパス(7733)は前週末比160円(5.6%)安の2,678円をつけ、大幅続落となりました。同社のCEOが違法薬物を購入していたとの報道を受けて、株価はネガティブな反応を見せました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は、1.8%高となる大幅高となりました。与党の過半数割れとなる衆院選の結果を受けた株式市場ですが、円安や株価指数先物の上昇等、買い材料が多く指数を後押ししました。
明日に向けて、大引け後、国内の決算銘柄は日東電工(6988)やTOTO(5332)が控えており、米国ではフォード・モーター[F]が予定されています。日東電工は前四半期に大幅増収増益となっており、本日の第2四半期決算でも更なるサプライズを示せるか、注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)