ゴールドの上昇が止まりません。2024年、米国株も史上最高値を更新していますがS&P500は年初から23%程度上昇のパフォーマンス。ドル建てゴールドは30%を超えています。
先週末はゴールドフェスティバル2024というイベントの総合司会を務めてまいりましたが、グローバルストラテジスト・エコノミストのエミン・ユルマズ氏、第一生命経済研究所の永濱利廣氏、マネネCEO森永康平氏など、ゴールドの専門家でない方々がここからのゴールドに強気、その理由もそれぞれ異なっていた興味深いものでした。いよいよ米国も利下げサイクルに入った、というファクターはゴールド上昇のエンジンですが、上昇は利下げ前から続いています。地政学リスクが高まる中、中央銀行の米国債とゴールドに対するスタンスの変化など金融要因以外のゴールド選好要因もあり、また米国の債務問題、格下げ警告など材料は豊富です。
驚いたのが来場者アンケートでの投資家の皆様のポートフォリオに占めるゴールド比率。なんと来場者のポートフォリオ平均でゴールド保有は20%を超えていたのです。ゴールドフェスティバルというゴールド特化型イベントだということもありますが、時代は変わったと感じます。マネクリのゴールド市況解説でおなじみ金融貴金属アナリスト亀井幸一郎氏は「ゴールドはコモディティから通貨の代替となった」と感想を述べられていました。
先週14日にはロンドン貴金属市場協会(LBMA)が開いた年次総会で、チェコ、モンゴル、メキシコの中央銀行担当者が、外貨準備の資産分散のため、積極的な金の購入を続けていると異例の発言を行っています。世界の中央銀行の米国債保有比率は低下傾向にありますが、米国への信認低下、ゴールド上昇はあまり歓迎すべき事象ではないですね…。