今週(9月20日~9月26日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):米国で追加利下げの期待が高まるも上値の重い展開

ビットコインは米国で追加利下げの期待が高まる中でも上値の重い展開となった。

米国では9月FOMC(米連邦公開市場委員会)の内容を受けてソフトランディング期待が高まり、リスク資産の買いが強まった。その中で、ハリス氏が初めて公の場でデジタル資産について言及したことが話題になり、ビットコインは一時的にBTC=932万円(64,500ドル)付近まで上昇した。

その後、米国の連銀総裁らが追加利下げの可能性に言及し、米国株が史上最高値を更新する中で、ビットコインも堅調に推移した。25日には経済協力開発機構(OECD)が世界経済はインフレの危機を脱し安定成長に向かっているとの報告書を発表し、再びBTC=932万円(64,500ドル)付近まで価格を伸ばした。

しかし、米9月消費者信頼感指数が予想外に悪化したことで景気の先行き懸念が再燃し、上値を抑えられる展開となった。また、イスラエルによるレバノンへの攻撃が続いており、地政学リスクが高まったことも売りを強めた。

 

来週(9月27日~10月3日)の相場予想

BTC(ビットコイン)は米雇用統計次第では買いが強まると予想

9月FOMCでパウエルFRB議長が労働市場の安定維持を課題に掲げたことを受け、9月4日に発表される米雇用統計の結果に注目が集まる。堅調な結果となれば、利下げ期待と相まって、株式やビットコインなどリスク資産への買いが強まると予想する。

一方で、米雇用統計が悪化した場合は、米国経済のソフトランディング期待が後退し、短期的に売り圧力が強まる可能性がある。ただし、大幅利下げの影響が出始めるのは10月以降のデータになるため、市場は総悲観に陥ることはなく、下げ幅は限定的となるだろう。

不確定な要素として、イスラエルとレバノン、イラン間の対立には注意が必要である。米国や日本、フランスなどが即時停戦を求める共同声明を発表したが、これを無視してイスラエルが攻撃を続けた場合、リスクオフの売りが短期的に強まることが考えられる。しかし、地政学リスクが高まる状況では、金が史上最高値を更新する中、ビットコインがデジタルゴールドとして買われる動きも出てくるだろう。

米国大統領選挙も投票まで残り1ヶ月。トランプ氏とハリス氏が暗号資産に言及することがあれば、ビットコイン相場がポジティブに反応することもあるだろう。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,011万円(70,000ドル)、下値はBTC=867万円(60,000ドル)を意識する。