東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日ぶりに反落となりました。6円高の37,947円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで162円高の38,102円まで上昇した後伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ9時50分前に71円安の37,868円まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し127円高の38,068円で前場を終えました。
75円高の38,015円でスタートした後場の日経平均は14時10分過ぎに168円高の38,109円まで上昇しましたが、その後伸び悩むと引けにかけてマイナスに転じ70円安の37,870円と後場の安値で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
J.フロント リテイリング(3086)が一時5.3%高となりました。中核事業である百貨店事業やショッピングセンター事業において国内売上が堅調に推移していることに加えて、訪日外国人観光客の増加などにより免税売上も伸びていることなどから485億円とみていた通期の事業利益の見通しを520億円に上方修正したことで大幅高となりました。
業務支援ソフトのサイボウズ(4776)も一時10.3%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の6.3%にあたる300万株、30億円を上限とする自社株買いを発表したことや、8月の売上高が前年同月比で15.1%増となったこともあって上げ幅を広げました。
スギホールディングス(7649)も一時7.3%高となりました。インバウンド(訪日外国人)需要の回復に伴い物販事業の売り上げが伸びたことなどにより上期の営業利益が前年同期比で17.3%増となり、会社予想や市場予想を上回ったことから買いが優勢となりました。
また、中国当局が景気刺激策を打ち出したことから昨日の米国市場で中国関連株が買われた流れを受けて日本市場でも中国関連銘柄に物色の矛先が向かいました。資生堂(4911)が一時6.5%高、コーセー(4922)が一時7.5%高、コマツ(6301)が一時3.0%高、ダイキン工業(6367)が一時5.8%高、安川電機(6506)が一時7.9%高、ファナック(6954)が一時5.1%高、サイゼリヤ(7581)も一時7.7%高となっています。
さらに川崎重工業(7012)が目標株価の引き上げを受けて一時3.0%高となり、アドバンテスト(6857)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.2%高となっています。
一方で米長期金利の低下を受けてメガバンクが軟調で、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時2.8%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時2.9%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.1%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は70円安となりました。昨日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新したことから一時は170円近く上げ、節目の38,000円を回復する場面もありました。
しかし、ドル円が円高に振れていたことや、昨日までの4日間で1,700円以上上げていたこともあって伸び悩むと38,000円を下回り小幅に下げて取引を終えました。そのため38,000円を超えたところでの上値の重さが意識されそうです。
なお、明日は9月の権利付き最終売買日です。配当取りの買いに加え、引けにかけてパッシブファンドによる配当の再投資に絡む先物買いも期待できます。こうしたなかで38,000円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)