東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、続落となりました。寄付きは20円高の36,601円で始まった日経平均ですが、その後は外国為替市場での円高ドル安を背景に輸出関連株の採算悪化を懸念した売りが入り、指数を押し下げました。また、前引けにかけて半導体関連株が一段安となり、前場は753円安の35,828円で終わりました。

642円安の35,939円でスタートした後場は、心理的な節目である36,000円を割り込むと下値で押し目買いが入り14時台には36,000円まで戻し、下げ幅を縮小、最終的には378円安の36,203円で取引を終えました。

新興市場も軟調に推移し、東証グロース250指数は先週から続落となっています。

2.個別銘柄等

アマゾンジャパン[AMZN]による、処方薬オンライン服薬指導・配送サービス「アマゾン・ファーマシー」の対象店舗として11店舗を出店する日本調剤(3341)は、一時5.2%高の1,254円まで上昇しました。オンラインを活用した医療サービスへのニーズは今後の伸びしろが大きいとみられる中で、買いが集まりました。

「価格.com」や「食べログ」などのサイトを運営するカカクコム(2371)は、13日に発表された、国内証券会社によるアナリストレポートにて、投資判断と目標株価の引き上げを背景に買いが入りました。寄付き直後には、先週末比50円(2.0%)高の2,607円まで上昇するも、その後は売りが優勢となりましたが、最終的には0.9%高の2,579円で終えました。

セブン&アイ・ホールディングス(3382)が寄付き後、早々に先週末比3.2%安の2,099円をつけました。外為法における「コア業種」へと分類されたことから、同社に買収提案をするカナダのアリマンタシォン・クシュタールによる、買収ハードルが高くなったとの見方が広がり、売りが入りました。一方で寄付き以降は持ち直し、最終的には0.4%安の2,158円で取引を終えました。

エイチ・アイ・エス(9603)は先週末比160円安(9%安)の1,612円まで下落しました。13日発表した2023年11月~24年7月期の連結決算は、営業損益が55億円の黒字で、前年同期の42億円の赤字から旅行需要の回復を示したものの、今期の通期における営業利益進捗率は5割にとどまっており、通期業績の未達懸念から売りが膨らみました。

前日の米国市場で新型iPhoneの需要の弱さを指摘されたアップル[AAPL]の2%超の下落を受け、関連銘柄とされる村田製作所(6981)が大幅続落となり一時4.9%安まで下落しました。また、同じ理由で太陽誘電(6976)が一時4.2%安、TDK(6762)も一時6.2%安と電子部品株も売られる展開となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、378円安となりました。円高の進行に伴う輸出関連株や半導体関連株が軟調に推移するも、節目である36,000円を下回る水準では押し目買いが見られる展開でした。市場の見方としては、今週17-18日に開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)と19-20日の日銀金融政策決定会合を控え、中銀のスタンスを確認するまでは動きづらいとの見方が優勢です。

明日への注目点は、本日、日本時間の21時30分ごろ発表される8月の米小売売上高速報です。事前の市場予想では、前月比マイナス0.2%とされていますが、内容次第では17-18日のFOMCで決定される利下げ幅(0.25%もしくは0.50%)に影響を与えるとみられており、注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)