アーロンチェアが今なら5万円程度で買えるようです。中古市場での話ですが。アーロンチェアとは高級ビジネス椅子。自宅でのタイピング仕事が多いことから以前使っていたことがあります。座り心地は抜群に良いのですが、小柄な私にはサイズが大きすぎたことから今は日本メーカーのオカムラのチェアに買い替えたのですが、アーロンチェアはとても高い。一脚17~8万円だったかと記憶していますが、現在のインフレ下の米国では新品で25万円くらいするようです。ところが、中古市場では4万2000円台で取引される事例もあり、ピーク時から3割近い値崩れを起こしているのだとか。この多くがテナントから撤退した企業から出されたもので、コロナ禍以降、在宅勤務の普及などで商業ビルからのテナントの退出が続いていることは、金融市場でも知られた話ですね。ムーディーズによると、4~6月のニューヨークのオフィス空室率は20.1%と初めて20%に乗せ、過去最高を更新しています。

先週のコラムでは市場が怯える2つの弱気シグナル、として「逆イールド解消」と「SOX指数のH&S完成のリスク」について書きましたが、サームルールの発動など景気後退を示唆するシグナルが、そこかしこに見受けられるようになってきましたが、米株市場は大幅利下げ期待でむしろ堅調に推移しています。

今週の9月FOMCではWSJ紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス氏の記事を受け0.5%の利下げ確率が急速に織り込まれています。ダウ平均は週初から史上最高値を更新、株式市場からは不穏なムードは感じられませんが、アーロンチェアの値崩れは2000年代初頭のドットコムバブル崩壊時にも見られたということで、気がかりではあります。