東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日続落となりました。585円安の35,805円で寄り付いた日経平均は取引開始から50分弱で1,143円安の35,247円まで下落しましたが、売り一巡後に下げ渋ると778円安の35,613円で前場を終えました。
615円安の35,775円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮め14時40分過ぎに143円安の36,248円まで持ち直すと結局175円安の36,215円で取引を終えています。
一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が先週末の米国市場で4%を超える下落となったことで半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時7.0%安、SCREENホールディングス(7735)が6.0%安、アドバンテスト(6857)が一時6.7%安、レーザーテック(6920)が一時8.5%安、ディスコ(6146)が一時8.4%安、ソシオネクスト(6526)も一時7.5%安となり、東京エレクトロンとディスコは年初来安値を更新しています。
一時141円台後半まで進んだ円高を受けて自動車株も売られました。トヨタ(7203)が一時5.2%安、日産(7201)が一時3.6%安、ホンダ(7267)が一時4.0%安、マツダ(7261)が一時5.1%安、SUBARU(7270)も一時4.7%安となりました。米長期金利の低下を受けてメガバンクも売られました。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)とみずほフィナンシャルグループ(8411)が一時4.8%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)も一時4.2%安となりました。
ビックカメラ(3048)も7.4%安となりました。洗濯機や調理家電、理美容家電に加え、パソコン本体やパソコン周辺機器、スマートフォンなどの販売が堅調で8月の全店売上高が前年同月比2.6%増となったものの、7月の9.9%増から伸びが鈍化したことから大幅安となりました。
一方でセブン&アイ・ホールディングス(3382)が一時3.5%高となりました。カナダのアリマンタシォン・クシュタールが声明を発表し、セブン&アイ・ホールディングスの買収協議継続に意欲を示したことから買いが優勢となりました。
本決算を発表したシステム開発のアイル(3854)も一時4.5%高となりました。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化の需要などを背景に好調な受注環境が継続するとみられることなどにより2025年7月期の営業利益が前期比で12.6%増の48億円となる見通しを示したことで大幅高となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は175円安となりました。米雇用統計が雇用拡大ペースの鈍化を示す内容となったことで米景気減速への懸念が出て先週末の米国市場が大幅安となったことから売りが優勢となりました。
一時は節目の36,000円を割り込み1,100円以上下落する場面もありましたが、売り一巡後は円高が一服となったこともあって押し目買いが入り大きく下げ幅を縮めました。そのため明日以降の反転を期待する見方も出てきそうです。
なお、日本時間の10日午前2時には米アップル[AAPL]が新製品の発表イベントを開催する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)