先週は週足で大陰線となりました。米国から発表される経済指標は軒並み悪化しており、本格的なリセッションを意識した値動きになりつつあります。この動きは今週から来週へと続きそうです。

一番底をつけにいく可能性を考え買い目線でしたが、本日(9月9日執筆時点)から短期的に売り目線に切り替えていこうと思います。為替市場も株式市場も暗号資産市場もリスクオフ的な値動きです。長らく続いた上昇相場は終焉を迎えようとしているのかもしれません。

BTC(ビットコイン)は700万円を一度割り込む可能性も

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析から入ります。8月下旬に900万円台前半まで上値を伸ばしていたのですが、そこから150万円ほどの反落になりました。

特段、大きな悪材料はなく、米国の経済指標の影響で少しずつ値を下げてきたようです。米国の経済指標は大きく悪化したわけではなく、緩やかな景気減速といった結果が相次いだ格好なので、悲観的になる必要もないと個人的には感じるものの、やはり金融市場は買われすぎだったのかもしれません。

先週はボトム圏で安値を少し更新しては反発しており、まもなく底入れだろうと考えられる局面は何度もありました。しかし、ある程度の戻りを見せた後、反落を繰り返していきました。

マーケットの大きな資本の流れは一度キャッシュに戻す行為が強いようです。9月ということもあり、地合いが悪くなりやすい相場です。売りトレンドがもう少し長引くように感じています。

チャートは、日足レベルでは下降トレンドライン、およびSMA30(黄色)付近は戻りの目安となりそうです。今週の目安は800-830万円が意識される展開だと予想します。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いてBTC/JPY4時間足チャート分析です。下降トレンドラインを右に抜けてきている状況です。土日は横ばい推移であったため、一服感が出たのでしょう。

上値の目処ですが、800万-805万円のレジスタンスラインを意識していこうと思います。
この水準は金曜の雇用統計後に反落のきっかけとなった価格帯です。この価格を上回ればさらに底入れ感が出ますが、先週は似たようなタイミングでそれぞれ崩れることが多かったので、目安としてはあえて800万円を超えたあたりからを意識した売りを狙っていくと含み益が取れるのではないかと予想しています。

MACDやSMA90の角度を考慮すると、780-800万円のレンジ相場を形成し、水曜~木曜あたりに800万円を少し超えるタイミングがあれば、テクニカル的に売りやすくなるでしょう。その値動きを狙って売りを仕掛けていきたいと思います。

ターゲットは700万円手前、および700万円割れとし、個人的な目安としては635万円付近、550万円付近を目指したトレードを行う予定です。なお、この価格はフィボナッチ・エクステンションでのターゲット価格になります。あくまで目安ですので、まずは800万円からの売り狙い、および700万円方向の値動きに集中したいと思います。

ETH(イーサリアム)の1番底は秒読みか?

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足チャート分析に切り替えます。8月6日の急落の安値はおよそ30万円でした。9月6日(金)には再びこの安値付近まで下落しました。ここを割り込むとETHはさらに大きく続落しそうです。

MACDも調整十分、日足レベルでデッドクロスを開始しており、SMA90に二度上値をしっかりと押さえ込まれ、反落となっている状況です。よって、テクニカル的には基本的にポイントで売り込まれたことを考えるとMACDもそれに続くのではないかと予想します。

30万円を9月中に割り込むとターゲットは28万円、さらにその下は24万5000円と予想します。こちらもBTC同様にフィボナッチ・エクステンションを用いた分析手法です。ETHも目先30万円にトライする値動きに集中しようと思います。

先週金曜日は株式市場も崩れてきました。AI銘柄の下落が目立ってきており、この業種が崩れるともう一段安となって、最終的には大きな下落相場になるのではないでしょうか。そこは買い場のタイミングになると予想しますが、それはもう少し先の話となりそうです。

今週は水曜日に米CPI、木曜日に米PPIと重要経済指標も発表されます。この指標発表をきっかけに下落トレンド再開となる可能性もあるため、こちらの経済指標も意識しておくとよいと思います。