東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。251円安の38,119円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で401円安の37,970円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと151円安の38,220円で前場を終えました。
さらに下げ幅を縮め58円安の38,313円でスタートした後場の日経平均は13時10分過ぎにプラスに転じると13時20分に29円高の38,401円を付けましたが、上値は重く伸び悩むと再びマイナスとなり結局9円安の38,362円で取引を終えています。
一方でTOPIXは小幅に上昇となりましたが、新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
損保株が堅調でした。金融庁が保険会社に対し、公正な競争を阻害しうる営業目的で株式を保有することを認めないようルール化すると伝わったことで、政策保有株の売却で資本効率の改善が進むとの期待から買いが入りました。
SOMPOホールディングス(8630)が一時2.8%高、東京海上ホールディングス(8766)が一時2.7%高、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)も一時1.7%高となりました。
不動産開発の霞ヶ関キャピタル(3498)も一時5.9%高となりました。静岡県の物流施設開発用地と東京都渋谷区のホテル開発用地を取得したと発表したことで収益の拡大を期待した買いが入りました。
自社株買いや自己株式の消却を発表した群馬銀行(8334)や東武鉄道(9001)も買われました。群馬銀行が一時4.9%高となり、東武鉄道も一時2.5%高となりました。
また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて不二製油グループ本社(2607)や富士通ゼネラル(6755)も高く、不二製油グループ本社が一時8.4%高となり年初来高値を更新したほか、富士通ゼネラルも一時4.4%高となりました。
一方でニデック(6594)が一時4.5%安となりました。冷却装置を共同開発している米サーバー大手のスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)が2024年6月期決算の年次報告書の提出が遅れる見通しだと発表したことで、今後の協業や業績への影響を懸念した売りが出ました。
第1四半期決算を発表した広島を地盤とするスーパー大手のイズミ(8273)も一時9.5%安となりました。2月に発生したランサムウエア(身代金要求型ウイルス)の影響で、仕入れが滞ったことなどにより2025年2月期の営業利益が前期比で15.7%減となる見通しを示したことから売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は9円安となりました。ハイテク株を中心に持ち高調整の売りが出て昨日の米国市場が下落したことや、取引終了後に決算を発表したエヌビディア[NVDA]が時間外取引で一段安となったことから反落となりました。
しかし、一時は400円以上下げる場面もありましたが、節目の38,000円を小幅に下回ったところで押し目買いが入り下げ渋ると後場には小幅にプラスとなる場面もありました。そのため38,000円を割り込んだところでの底堅さが改めて意識されそうです。
なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や4-6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)