【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,890.49  △55.52 (8/21)
NASDAQ: 17,918.99  △102.05 (8/21)

1.概況

米国市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて9月の利下げ観測が強まり反発しました。46ドル高でスタートしたダウ平均は139ドル高まで上昇した後96ドル安まで下落するなど一進一退の展開となりましたが、引けにかけて買いがやや優勢になると結局55ドル高の40,890ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も102ポイント高の17,918ポイントとなっています。

2.経済指標等

7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、大半の参加者が「予想通りのデータが続けば、次回会合で政策緩和を行うのが適切」とし、9月の利下げ決定に前向きな姿勢を示していることが分かりました。また、数人の参加者が「今回の会合で0.25%の利下げを支持することもあり得た」との考えを示していたことも明らかとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、一般消費財・サービスと素材が1%以上上昇しました。一方で金融とエネルギーの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では21銘柄が上げ、インテル[INTC]が2%高となったほか、マクドナルド[MCD]とスリーエム[MMM]、ウォルト・ディズニー[DIS]も1%以上上昇しました。一方で9銘柄が下げ、アメリカン・エキスプレス[AXP]が2%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、小売りのターゲット[TGT]が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことや、通期の1株利益の見通しを引き上げたことから10%余り上げています。ディスカウント衣料品のTJX[TJX]も決算が市場予想を上回ったうえ、通期の業績見通しを引き上げたことから6%余り上昇しています。また、半導体のアナログ・デバイセズ[ADI]も決算が市場予想を上回ったうえ、8-10月期の業績見通しが市場予想を上回ったことから2%近く上げています。さらに他の半導体株も堅調で、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]が投資判断の引き上げを受けて3%近く上昇し、クアルコム[QCOM]も1%以上上げました。エヌビディア[NVDA]とアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]、ウエスタン・デジタル[WDC]も1%近く上昇しています。百貨店のメーシーズ[M]は決算で売上高が市場予想を下回ったうえに、通期の売上高の見通しを引き下げたことから13%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は、米労働省が雇用統計の年次改定で2024年3月までの1年間の雇用者数が81万8000人の下方修正になるとの推計値を発表したことなどから0.01%低い3.80%となりました。ドル円は145円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。本日もドル円の動向に神経質な展開が続きそうですが、こうしたなかで日経平均が節目の38,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)