株好き・優待好きで優待銘柄を中心に約100銘柄を保有する優待女子の小森さん。優待投資に早くから目覚め、楽しくお得な優待生活を送っています。株式投資をはじめたきっかけ、銘柄選びのポイント、推しの優待銘柄5選などを聞きました。
●優待女子・小森美紀さんプロフィール●
個人投資家。東京都在住。父親の影響で株式投資に興味を持ち、大学時代に本格デビューを果たす。株主優待をメインの目的に長期運用を続け、現在は約100銘柄を保有中。楽しい株主優待ライフの日々を送っている。
父の背中を見て、投資を始める
――小森さんが株式投資を始めたきっかけを教えてください。
株をやっていた父親の影響が大きいです。1980年代のバブル景気の頃、株の友人や証券会社の人が毎日のように自宅に来て、父親と楽しそうに株の話をしていました。幼かった私はお客さんに出されるケーキを目当てに、その場に参加していたのです。お客さんが来ないときには、父親はテレビやラジオで株の情報を収集していました。側に座り、テレビ画面に流れる株価の電飾数字を眺めて、キレイな輝きに心惹かれたのを記憶しています。
このように株は身近な存在でした。子どもの頃から株をやりたい思いがずっとあり、本格的に投資デビューしたのは大学時代です。
――初めて購入したのはどんな銘柄でしたか。
当時難しいことはわからなかったのですが、ディズニーランドが大好きだったのでオリエンタルランド(4661)の株を買いました。優待が楽しみで長く保有していたらいつの間にか株価が10倍以上になったのです。この経験から好きな会社の株を長く保有する投資法が自分に合っていると思っています。
――株主優待との縁は深そうですが、どのような経緯から優待銘柄に投資するようになったのでしょうか。
大学生になると友達と居酒屋などに飲みに行く機会が増えますよね。そこで外食系の会社の株主優待をチェックしたら、すごく高利回りだったんですよ。ITバブル崩壊の頃で日経平均株価が低迷していたからでしょう。目当ての外食関連の優待銘柄がちょうど買いどきだったわけです。
以来、優待銘柄中心ですが、株主優待だけにこだわってはいません。配当も重要視しますし、値上がり益も期待しています。一番好きなのが株主優待という形ですね。
投資歴20年超え、優待女子の銘柄選び2つのポイント
――銘柄選びのポイントを教えてください。
まず「【1】10万円前後の購入資金で買える銘柄」を基本とします。そのうえで、「【2】優待品と配当金を合わせた投資リターン4%以上」が購入候補の目安です。そして、2つの条件に合致して優待品がQUOカードだったらすぐに投資するようにしています。
現在、約100銘柄を保有し、うち優待目的が5割、配当目的が4割、キャピタルゲイン目的が1割という感じです。短期売買は苦手なので、長期保有を基本スタンスにしています。
――優待品はQUOカードがお好みですか?
お気に入りは飲食店の割引券なのですが、新設されるケースは多くありません。一方でQUOカードは一時期から優待品として取扱う企業が増えてきた印象です。優待品を郵送する際、品物よりもQUOカードを送るほうが手軽ですし、送料の負担も軽くすむからだと思います。株主にとってもいろいろなお店で現金として利用できるので便利ですよね。QUOカードが届くようになってから使い切れないことも多く、どんどん枚数が増えていまは数百枚に達しています(笑)。
株主優待の新設や拡充などの情報をチェックするのは証券会社サイト等でも確認することができる適時開示情報です。QUOカードを取扱うところはBtoB企業が多いため、あまり馴染みのない会社を知るきっかけにもなっています。QUOカードの優待新設により株価も上がりやすいですしね。
――小森さんが注目する推しの優待銘柄を教えてください。
外食系で一番好きなのがコロワイド(7616)です。優待内容は同社グループ店舗にて1ポイント=1円として利用できる優待ポイントになります。専用カードに付与される仕組みで年間4万円相当分です。通常の割引券だと管理の手間や紛失のリスクを伴い、お釣りをもらうこともできません。カードなら財布に収まって会計時に使いやすいですし、ポイントは1円単位で利用できるのでムダもなくなるのでうれしいです。
ただし、500株以上保有の株主を対象とし、いまは株価が以前よりも高水準なので最低約100万円の購入資金を必要になるので、少しハードルが高いかもしれません。
◆推し銘柄1「アトム(7412)」「カッパ・クリエイト(7421)」
いま、推しなのが、コロワイドの子会社であるアトムとカッパ・クリエイト。どちらも飲食店を展開し、両社の優待内容も専用カードに付与される優待ポイントです。そのポイントをアトムは自社とコロワイド及びカッパ・クリエイトの対象店舗で利用でき、カッパ・クリエイトは自社とコロワイド及びアトムの対象店舗で利用可能になっています。そして両社とも100株以上保有の株主を対象とし、最低単元投資金額はアトムの場合7万円台、カッパ・クリエイトは17万円台です。
◆推し銘柄2「クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)」「SFPホールディングス(3198)」
次の推しも外食系2社、クリエイト・レストランツ・ホールディングスとSFPホールディングスです。前者はフードコートのお店やカフェ、レストランなど幅広い業態の飲食店を展開し、後者はその子会社で磯丸水産などの居酒屋を展開しています。
両社とも優待利回りが高く、100株以上の所有で年間4,000円分の割引券をもらえます。クリエイト・レストランツ・ホールディングは最低単元投資金額が10万円台ですみ、同社優待は自社及びSFPホールディングスの対象店舗でも利用可能です。一方、SFPホールディングスは最低単元投資金額が20万円台となり、かつ同社優待をクリエイト・レストランツ・ホールディングの対象店舗では利用できません。この点を考慮するとクリエイト・レストランツ・ホールディングのほうが使用できる範囲が幅広くオシャレなお店が多いため魅力的に感じられるかもしれません。
◆推し銘柄3「三越伊勢丹ホールディングス(3099)」
私は百貨店も大好きで、イチ推しが三越伊勢丹ホールディングスになります。優待内容は100株以上の保有で同社店舗及びオンラインストアの買い物10%割引です。年間の利用上限が30万円のため、年3万円の割引額ということ。かれこれ20年近く保有しているので、60万円余りのお得になっています。私は株価が1,500円くらいのときに購入しました。いまは2,300円台と私が投資した当時と比べるとちょっと高めですけど、三越などの百貨店をよく利用するなら年3万円の割引はお得に感じられるでしょう。
◆推し銘柄4「バリューHR(6078)」
健康関連の優待銘柄でおススメなのがバリューHRです。健康支援サービスを手掛けていて、優待内容は同社サイトの各種健康メニューに利用できるポイントになります(1P=1円、有効期限2年)。健康診断、医薬品やサプリメント、スポーツクラブ利用券などメニューは2万点以上もあり、100株以上の保有で保有期間1年未満なら2,500ポイント、1年以上なら3,500ポイント、3年以上なら5,000ポイントと、長期保有するほどポイントが増えていきます。最低単元投資金額は15万円台です。
◆推し銘柄5「コタ(4923)」
最後の推しは美容室向けのヘア化粧品を製造・販売しているコタ。100株以上の保有でシャンプーなど5000円相当の自社製品をもらえます。最低単元投資金額は16万円台です。私が日々愛用するのも同社のシャンプーなのです。優待品としてもらうだけでなく、個人でも購入するほど気に入って使うようになりました。市販のシャンプーよりちょっと値段は高めですけど、購入することで株価の上昇に貢献して巡り巡って持ち株に跳ね返ってくると思えば御の字ですよね。
後編では、物価高に負けない、いますぐ生活費の節約にも役立つ優待銘柄5選/QUOカード優待銘柄についてお届けします。
写真:竹井 俊晴
※株価情報はすべて2024年8月19日終値時点
※本インタビューは2024年6月13日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。