東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。141円高の41,416円で寄り付いた日経平均は10時20分前に191円高の41,466円まで上昇しましたが、節目の41,500円を前に伸び悩むと11時過ぎに7円高の41,282円まで上げ幅を縮めました。しかし、マイナスになることなく踏み止まるとやや持ち直し32円高の41,307円で前場を終えました。

41円高の41,316円でスタートした後場の日経平均は12時40分前に88円高の41,363円まで上昇した後伸び悩むとマイナスに転じ13時50分前に220円安の41,054円まで下落しました。その後は下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局177円安の41,097円で取引を終えています。

一方でTOPIXが上昇となったほか、新興市場も高く東証グロース市場250指数が上げています。

2.個別銘柄等

東宝(9602)が12.0%高となりました。配給作品のヒット作が相次いだことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で34.1%増となり、第1四半期として最高益となったことから買いを集めました。

総合化学大手のレゾナック・ホールディングス(4004)も一時3.6%高となりました。台湾のハードディスクメディア事業の清算の一環として工場の建物を譲渡するのに伴い約17億台湾ドル(約84億円)の特別利益を計上すると発表したことを好感した買いが入りました。

日本国土開発(1887)も一時5.2%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の4.7%にあたる400万株、23億円を上限とした自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。

さらにトランプ氏が米大統領選で勝利するシナリオにかける「トランプ・トレード」の動きが本日もみられました。防衛関連では川崎重工業(7012)が一時10.6%高となり年初来高値を更新し、三菱重工業(7011)も一時4.3%高となりました。

また、インフラ関連ではコマツ(6301)が一時5.0%高となり上場来高値を更新し、日立建機(6305)も一時5.9%高となっています。

一方でバイデン米政権が、東京エレクトロン(8035)やASMLホールディング[ASML]などの企業が先端半導体技術へのアクセスを中国に提供し続ける場合、利用可能な最も厳しい貿易制限措置の利用を検討していると同盟国に伝えたと報じられたことから半導体関連銘柄が売られました。

東京エレクトロンが一時8.3%安、SCREENホールディングス(7735)が一時6.5%安、レーザーテック(6920)が一時5.5%安、アドバンテスト(6857)も一時2.7%安となり、レーザーテックは年初来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は177円安となりました。昨日の米国市場が続伸となり、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことから買いが先行し、一時は190円以上上げる場面もありました。

しかし、節目の41,500円を前に伸び悩むと上げ幅を縮め、半導体関連銘柄が大きく下げたこともあり後場に入って下落に転じました。そのため昨日に続いて上値の重さが意識されそうです。

なお、日本時間の21時30分に6月の米住宅着工件数が発表されるほか、22時15分には6月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。

また、18日午前3時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)も公表される予定です。さらに17日の米国ではジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)