米国の5月PCEデフレーターが最重要指標
今週注目の経済指標は、国内では25日の4月景気動向指数、28日の6月東京消費者物価指数(CPI)、5月鉱工業生産など、米国では25日の6月コンファレンスボード消費者信頼感指数などがあるが、もっとも注目されるのは、28日に発表される米国の5月PCEデフレーターだ。コアPCE価格指数は前年比2.6%上昇(前回は2.8%上昇)と鈍化が見込まれている。インフレ鈍化⇒FRBの早期利下げ期待⇒長期金利低下という流れになればエヌビディアをはじめとするハイテク株が買われ、日経平均の追い風になるだろう。
国内は小売り中心の2月決算企業1Q決算発表に注目
先週は小売り株の下落が目立った。特に百貨店は三越伊勢丹が週間で10%、高島屋が約6%下落し、エイチ・ツー・オーリテイリング、J・フロントリテイリングはともには約5%の下落となった。インバウンドによる収益拡大期待が織り込まれた一方、国内消費の弱さが売り材料になっているようだ。そうしたなか、今週は小売りを中心に2月決算企業の第1四半期決算発表が本格化してくる。24日にはあさひ(3333)や壱番屋(7630)、しまむら(8227)、25日にスギホールディングス(7649)、28日にはアダストリア(2685)、DCMホールディングス(3050)、J.フロントリテイリング(3086)、高島屋(8233)などが決算を発表する。(ご参照:2月決算企業の第1四半期決算発表スケジュールに関連するレポート「2024年6月21日の『投資のヒント:来週はしまむらや高島屋などが決算を発表へ』の資料」)
決算発表を機に小売り株が下げ止まるか注目したい。
米国では26日にマイクロン・テクノロジーの決算発表があり、半導体株物色の契機となるか注目される。
仏政治情勢の不透明感が強まりもあり様子見ムードは強い
日経平均は一進一退の展開だが、基本的に今週も様子見ムードが強く、商いが一層、細りそうだ。大きな理由としては冒頭で述べたPCEデフレーターの発表待ちに加え、30日にフランス国民議会(下院)選挙の初回投票を控えているからだ。右派・国民連合(RN)が躍進するとの観測が高まるなど仏政治情勢の不透明感が強まっている。
ただ、今週末は月末、四半期末、そして上半期末と節目が重なる。基本は様子見で商い閑散なだけに、ポジション調整など一部の投資家の需給要因で相場が大きく変動する可能性もあり、その点は頭の隅に入れておいたほうがよいだろう。
予想レンジは3万7800円~3万9300円とする。