今週(6月14日~6月20日)の相場動向
相場回顧 BTC:米国株に先行して売られるも底堅い
ビットコインは、米国の利下げ観測が後退する中で米国株に先行して売られる展開となったが、BTC=1,027万円(65,000ドル)付近では底堅く推移した。
DMM Bitcoinが顧客補償用のビットコインの調達完了を報告したことや、マイクロストラテジー[MSTR]がビットコイン購入のための資金調達額を引き上げたことなど、ポジティブな動きも見られる中で買戻しが強まった。しかし、米国では4営業日連続で現物ETFからの資金流出が相次ぎ、6月18日にはBTC=1,011万円(64,000ドル)付近まで価格を下げた。その後、米SEC(米国証券取引委員会)がイーサリアムの証券性に関する調査を中止したことが伝わり、イーサリアムは現物ETFの承認期待が高まって急上昇した。これを受けてビットコインも連れ高し、さらにはオーストラリアで初めて現物ETFが上場したことも好感され、BTC=1,027万円(65,000ドル)台を回復した。
来週(6月21日~6月27日)の相場予想
BTCはさらなる下落リスクは残るが、イーサリアム現物ETFへの期待が相場全体を支えるか
米国では、S&Pとナスダックの史上最高値更新が続いており、特にエヌビディア[NVDA]の高騰が大きな注目を集めている。この勢いが継続する中でビットコイン、暗号資産の買いが戻ることは考えられる。一方、リスク度の観点から米国株の先行指標とも見られるビットコインが今週に下落していることを踏まえると、市場が徐々にリスクオフへ傾いている可能性もある。仮に米国株が下落した場合、さらにビットコインの売りが強まるリスクには注意したい。
一方、米国でイーサリアム現物ETFのS-1フォームの承認期待が高まっており、一部のアナリストの中には7月初旬の取引開始を予想する声もある。こうした予想よりも早く、当局からの承認が発表された場合は、相場全体を再び押し上げる材料になるだろう。また、香港と英国に続いて豪州においてもビットコインの現物ETFが上場し、米国外での新しい投資家の参入が期待される。
直近、上値としてBTC=1,106万円(70,000ドル)、下値としてはBTC=1,027万円(65,000ドル)、この水準を割り込んだ場合はBTC=948万円(60,000ドル)を意識する。