今週の日経平均は一進一退の展開か。FOMC、日銀金融政策決定会合と大きなイベントを通過して市場は材料難で手控えムードが出ている。東証プライム市場の売買代金は4兆円割れが続く閑散相場だ。上値を追う材料もないが、悪材料が減ったことで下押し圧力も減退している。

日銀は「7月の利上げはなし」と宣言したようなもの

それは日銀の引き締めスタンスが若干緩和したことだ。日銀は14日の金融政策決定会合で国債購入の減額方針を決めた半面、具体的な計画は7月末の次回会合で固めると表明した。これにより、次回7月会合での利上げは減額計画の決定と重なるため、当然見送り観測が強まった。「7月の利上げはなし」と宣言したようなものだが、それでいい。実際に円安は進まなかった。金融政策の正常化に向かうにしても、性急さを避けることが大事である。

主力の大型株が一服となるなかで日本の新興市場に底入れムードが出ている。上述の日銀の引き締めスタンスの緩和に加え、米国の金利低下も背景にあるのだろう。その意味でこの流れが継続するか、米国の経済指標に注目したい。

今週の主な経済指標は、国内では17日に機械受注、21日に消費者物価指数(CPI)が発表される。海外では、17日に中国の鉱工業生産、小売売上高、米国ではNY連銀製造業景気指数が出る。18日には米・小売売上高、鉱工業生産指数、20日にフィラデルフィア連銀景況指数などが予定されている。

予想レンジは3万8700円~3万9200円とする。