6月7日(金)に発表された5月米雇用統計は、失業率が4.0%と上昇したものの、非農業雇用者数は事前予想18.5万人に対して27.2万人という結果になりました。これを受けて米ドルは急上昇し、ほとんどの通貨に対して強い反応を見せました。

株式市場は反落で反応し、米金利は上昇、暗号資産は下落という構図となりました。一時、BTCは1070万円付近まで、ETHは55万円台をつけるなど、瞬間的な急落を引き起こしました。土日は安定した価格推移を見せたものの、かなり小動きではありました。

今週は米CPI、そしてFOMC(米連邦公開市場委員会)の発表があります。インフレ率の上昇が再確認されれば、暗号資産市場はさらに下落する可能性があるでしょう。一方で、インフレ率低迷がみられれば、利下げの思惑から暗号資産市場は上昇するのではないでしょうか。米CPIの結果次第で、FOMC後のパウエル議長の記者会見のトーンは大きく変わりそうです。

BTC(ビットコイン)、1100万円に乗せてからの押し目買い狙い

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析から始めます。SMA30(黄色)は1070万円付近まで上昇してきました。再度下落する場合は、この水準で再び止められやすくなると考えます。さらにサポートラインは1040万円付近に引くことができるので、ここも重要なサポートラインになるでしょう。

今週の日足レベルでは、この二つのポイントを意識した押し目買いが有効になりそうです
MACDは少々ダイバージェンス的な動きになりつつありますが、前回のTOPと比較するとまだまだ小さな山です。よって、さほど気にするようなレベルではないと考えます。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、BTC/JPY4時間足分析です。円建ての史上最高値付近で上値を抑えられて、雇用統計の発表を迎えたため、ダブルトップのような形成になりつつあります。しかし、ネックラインは1040万円台なので、まださほど気にする必要はないでしょう。

金曜日の安値をトライされることなく、再び1120万円に向かって上昇するならば、アセンディングトライアングルとなります。強い地合いの時に発生するフォーメーションなので、すんなり1100万円に回復する場合は、また上値トライに期待が持てそうです。

現状はSMA30(黄色)とSMA90(水色)に挟まれた展開です、SMA30を突破して一定時間推移する時間があれば、なお良いでしょう。日足と同じく、1100万円に乗せてからが勝負となりそうです。

現状は様子見としますが、1100万円を超えて1100-1110万円台で推移するなら、4時間足のSMA30サポートから押し目買い戦略はありだと考えます。

ETH(イーサリアム)のエントリーはCPIなどの結果を見て週後半から

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャート分析です。56万円のサポートラインにタッチしましたが、金曜日にすぐに戻し、週末は58万円を挟んだ小動きに終始しました。60万円方向の回復に期待をしているものの、ETFの期待を先に折り込み過ぎてしまったため、上値はまだ当面重い状態が続くと予想します。

MACDもデッドクロスしてからしばらく経過をしていますが、もう1週間程度このレンジ内で推移すれば、MACDもさらに解消されそうです。再度上値をトライするために今週は無理に上値を追いかけなくてもよいかもしれません。

またSMA30は今週前半に56万円付近のサポートラインまで到達するのではないでしょうか。よって、下値もかなり限定的になってきました。この角度ならば、週後半には57-58万円付近まで到達するかもしれません。

サポートが徐々に切り上がってきたことはテクニカル的に好都合です。上昇再開するなら、タイミング的に週後半から週末にかけてでしょうか。週前半は様子見とし、CPIやFOMCの結果を見てからのエントリーがよさそうです。

米国が緩和的なスタンスであれば、迷わず買いトレードを。インフレ見通しが悪化(インフレ率再上昇)しそうであれば、ETHは売り押されると思います。今週は経済指標の結果を見て判断するのが良さそうです。