米ドル/円 戻りの限界日を再確認 週間予想レンジ:155.00~157.50

先週(5月20日週)は小幅続伸

先週の米ドル/円は陽線を形成し、一旦157.20円をトライ、5月14日の高値を超え、5月15日の大陰線を「否定した」。5月3日安値の151.96円から切り返しが継続していることを確認でき、一段と上値余地を示唆した。これにより5月16日の罫線が示した「スパイクロー」の意味合いが確立された。しかし、5月14日に高値更新した後でも値幅は限定的であり、モメンタムの低下も見られ、値幅の拡大には繋がらなかった。

今週(5月27日週)は保ち合いが続くか

5月16日のサインが効いてくるのであれば、早期の大幅な続伸が望ましい。しかし、現時点ではハードルが高く、今週も保ち合いが続く公算が高い。

テクニカル視点:切り返し継続でも再度頭打ちがあれば、より大きなサインの点灯へ

5月1日の米ドル/円は、大陰線の意味合いを強調してきた。同大陰線をもって下放れを果たしたため、4月29日の大陰線が示したトップアウトのサインを証明したことが何より大きかった。

また、従来の想定と異なり5月15日の高値156.56円の上に定着するような値動きがみられたため、当面は上値余地があることが想定される。また、早期大幅の上値トライがあることも想定されるが、5月1日の高値158.04円を早期トライできなければ、逆に切り返し自体の限界が示唆されると考えられる。そのため、今週はレンジ変動を有力視した上値限定の公算が高まるだろう。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円 高値再打診もあり得るが、上値限定の公算が高く、再度頭打ちへ 週間予想レンジ:103.00~105.00

先週(5月20日週)は再度値幅が限定され、ややモメンタム低下へ

先週の豪ドル/円は週足では緯線を形成したものの、一旦104.59円まで打診したため、5月2日からの切り返しを踏襲する形をなお維持した。その半面、モメンタムの低下も示唆された。

今週(5月27日週)は高値トライがあっても上値限定か

豪ドル/円は基本的に米ドル/円に連動した値動きだったが、先々週から豪ドル対米ドルの影響を強く受けてきた。再度米ドル/円が豪ドル/円に与える影響に注目したい。

米ドル/円の切り返しが延長されたことで、豪ドル/円も続伸したものの、高値圏での保ち合いが確認され、モメンタムの低下がむしろ目立っていた。

テクニカル視点:切り返しの継続があっても、上値追いにはならない

4月29日の豪ドル/円の日足は大陰線となり、また4月24日~26日の罫線と「アウトサイド」の関係を示したため、同日高値から一転して急落した分、典型的な「弱気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯した。

従って、5月に入ってからの切り返し自体が強くても、4月高値と「ダブル・トップ」を形成していく可能性を重視してきた。仮に一旦高値トライがあっても、上放れしていくには力不足であり、先週の値動きですでにその兆しを露呈していた。

一方で、5月16日の罫線が大きな支持ゾーンを示したため、本格的な下値がなければ、当面高値圏での保ち合いを維持できるだろう。高値圏でのレンジ変動を有力視し、レンジ取引に徹すのも一手かもしれない。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成