東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、反発で取引を終えました。25円安の38,761円で寄り付いた日経平均は、その後すぐに切り返し、9時30分ごろには4月15日以来となる39,000円台まで回復しました。その後も勢いを保ち、前場は559円高の39,346円で取引を終えました。

39,221円で始まった後場は、直近の高値圏であることも背景に、利益確定の売りに押され、上値が重い展開が続きました。終わってみると前日比282円高の39,069円と0.73%高となりました。

TOPIXは22ポイント高(+0.82%)と小幅に上昇しました。東証グロース250指数は9ポイント高(+1.5%)で反発しました。

2.個別銘柄等

中国経済の回復期待から銅などの非鉄金属の価格の上昇を受けて、住友金属鉱山(5713)が一時8.5%高、年初来高値を更新する5,529円まで買われる場面がありました。先週末の商品市場で、金や銅、ニッケルなどが総じて上昇したことが背景です。

同様の理由で、非鉄金属株である三菱マテリアル(5711)も一時7.8%高の3,277円まで買われました。

WTI原油先物が80ドル台まで上昇したことなどを背景に、ENEOSホールディングス(5020)が6.21%高の794.8円、INPEX(1605)が同4.2%高の2,456円、出光興産(5019)が3.37%高の1,041.5円と上昇して取引を終えています。

信越化学工業(4063)は、先週17日に、発行済み株式総数(自己株式を除く)の1.1%に相当する2,200万株、金額にして1,000億円を上限とする自社株買いを発表したことが好感され、一時5.8%高の6,182円まで上昇する場面がありましたが、後場に入ると伸び悩み243円高の6,083円で取引を終えています。

また取引時間中に、長期金利が2013年5月以来となる0.975%を付けたことなどから、利ざや改善期待が広がったみずほフィナンシャルグループ(8411)が年初来高値を更新しました。その他の銀行株である、三井住友フィナンシャルグループ(8316)や三井住友トラストホールディングス(8309)も年初来高値を更新しました。

また、企業の決算が一巡するなかで、メルカリ(4385)や竹内製作所(6432)はアナリストによる目標株価の引き上げを材料に買いが集まりました。

一方で、日経平均の構成銘柄では、三菱重工(7011)やソフトバンクグループ(9984)、エーザイ(4523)などが軟調に推移しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、約1ヶ月ぶりに39,000円台まで回復しました。米国市場にてダウ平均株価が終値で4万ドルに到達し、日本市場も買いが先行して始まるも、後場にかけては上値の重い展開が続きました。

今週は22日の米国でのエヌビディア[NVDA]の決算発表まで、大きな材料もなく動きづらい展開が予想されます。

なお、本日の引け後には、主要損害保険会社のMS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)、東京海上ホールディングス(8766)、SOMPOホールディングス(8630)の決算発表が控えています。

(マネックス証券 ジュニア・アナリスト 山口 慧太)