東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに大幅反発となりました。400円高の38,636円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で627円高の38,863円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時10分前には305円高の38,541円まで上げ幅を縮めました。
しかし、その後再び上げ幅を広げると結局599円高の38,835円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ファーストリテイリング(9983)が一時4.2%高となりました。気温が高く推移し夏物商品を中心に販売が好調だったことにより4月の国内ユニクロのEコマースを含む既存店売上高が前年同月比で18.9%増となったことから買いが優勢となりました。
セレクトショップ大手のユナイテッドアローズ(7606)も一時8.9%高となりました。気温の上昇とともに夏物軽衣料が好調に推移したことなどによりネット通販を含めた4月の既存店売上高が前年同月比で17%増となったことから買いを集めました。
ポイントサイト「モッピー」を運営するセレス(3696)も10.4%高となりました。持分法適用関連会社であるビットバンクが持分法による投資利益を計上する見込みとなったことにより16億円とみていた2024年12月期の経常利益の見通しを20億円に上方修正したことで大幅高となりました。
また、昨日の米国市場で米マイクロン・テクノロジー[MU]が投資判断と目標株価の引き上げを受けて4%を超える上昇となるなど半導体株が買われた流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄が高く、東京エレクトロン(8035)とSCREENホールディングス(7735)が5.2%高、レーザーテック(6920)が4.2%高、ディスコ(6146)も8.9%高となりました。
一方でソニーグループ(6758)が一時4.2%安となりました。ソニーグループと米投資ファンドが米メディア大手のパラマウント・グローバル[PARA]に260億ドルで買収案を提示したと伝わったことで財務負担を懸念した売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は599円高となりました。4月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回ったことで利下げ開始が先送りになるとの懸念が後退したことなどを受けて、米国市場でダウ平均が続伸となり、2日と3日、昨日の3日間で950ドル近く上げたことから大幅高となりました。
一時は300円高余りまで上げ幅を縮める場面もありましたが、持ち直すと25日移動平均線(38,779円)を上回って取引を終えました。そのため調整一巡への期待が高まりそうで、今週は決算発表が一段と本格化するなかでどこまで戻りを試せるかがポイントとなりそうです。
なお、本日も引け後にはJFEホールディングス(5411)やリコー(7752)、任天堂(7974)、川崎汽船(9107)などが決算を発表する予定です。また、明日は取引時間中の13時55分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目を集めそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)