東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続伸となりました。319円 高の37,871円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を大きく広げると11時10分過ぎに799円 高の38,351円まで上昇し777円 高の38,329円で前場を終えました。
754円 高の38,307円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げると結局907円 高の38,460円で取引を終え高値引けとなりました。
こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
第1四半期決算を発表したシマノ(7309)が一時6.6%高となり年初来高値を更新しました。中国市場でロードバイク人気が継続していることなどにより2024年12月期の営業利益の見通しを530億円から568億円に上方修正したことや、自己株式を除く発行済株式総数の1.11%にあたる100万株、260億円を上限とした自己株買いを発表したことで大幅高となりました。
野村マイクロ・サイエンス(6254)も14.8%上昇しストップ高となりました。各地域の超純水製造装置の工事進捗が順調に推移したことに加え、円安の効果もあり96億5千万円とみていた2024年3月の営業利益の見通しを106億円に引き上げたことで買いを集めました。
ニコン(7731)も一時11.8%高となり年初来高値を更新しました。英投資ファンドのシルチェスター・インターナショナル・インベスターズがニコンの株式を5.02%取得していることが関東財務局に提出した大量保有報告書により判明したことで上げ幅を広げました。
また、昨日の米国市場でエヌビディア[NVDA]が3%以上上げるなど半導体株が買われた流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄が高く、東京エレクトロン(8035)が7.1%高、SCREENホールディングス(7735)とアドバンテスト(6857)が一時4.8%高、ディスコ(6146)も6.1%高となり、東京エレクトロンは1銘柄で日経平均を226円押し上げています。
一方で本決算を発表したオービック(4684)が一時8.0%安となり年初来安値を更新しました。働き方改革の推進などで大手企業を中心に業務システムの販売が伸びると見込まれることなどから2025年3月期の営業利益が前期比で10%増となる見通しを示しましたが、市場予想に届かなかったことで大幅安となりました。
IHI(7013)も一時9.6%安となりました。傘下のIHI原動機が燃料消費率の測定データを改ざんしていたことが関係者への取材でわかったと伝わったことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は907円 高となりました。中東情勢への過度な警戒が和らぎ昨日の米国市場が続伸となったことで買いが優勢となりました。
また、昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表した電気自動車のテスラ[TSLA]や半導体大手のテキサス・インストゥルメンツ[TXN]が時間外取引で大幅高となったこともあり大きく上げ幅を広げ節目の38,000円や75日移動平均線(38,065円)を大幅に上回って取引を終えました。
そのため調整一巡への期待も出てきそうで、日米で本格化する決算発表を支えにどこまで戻りを試せるかが引き続きポイントとなりそうです。
なお、本日は引け後に日立建機(6305)やファナック(6954)、キヤノン(7751)などが決算を発表する予定です。また、24日の米国ではフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]やIBM[IBM]、ボーイング[BA]などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)