米国金利の推移を占う重要な材料2つに注目
月初の重要統計発表週を通過し、今週は材料難。中東情勢や米国金利をにらみながら、神経質な展開が続こう。日米ともに先週の大幅下落で株式相場の地合いは悪化している。上値の重さが目立つことが多くなりそうだ。
材料難のなかで米国金利の推移を占う重要な材料がふたつある。10日に発表される3月の米消費者物価指数(CPI)と米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(3月19~20日開催分)である。CPIは変動の大きい食品やエネルギーを除くコア指数で前月比0.3%の上昇が予想されている。1月、2月とCPIは予想対比上振れが続いた。3月分も上振れするようだとFRBの早期利下げ期待が一段と後退するだけに警戒感をもって見守りたい。
続く11日にはECB理事会がある。6月利下げ開始の見通しを維持するか注目である。
小売り大手の決算が本格化、良品計画に注目
国内ではウエルシア(3141)、ABCマート(2670)、7&iHD(3382)、ファーストリ(9983)、良品計画(7453)など小売り大手の決算が本格化する。なかでも日経平均への寄与度が高いファーストリへの注目度が高いのは毎回のことだが、今回は良品計画の決算に注目したい。
先週3日の東京株式市場で良品計画は大幅高を演じた。2日発表の3月の国内直営既存店売上高が前年同月比16%増えたことが市場の評価につながった。3月15~25日開催の会員向けセール「無印良品週間」が寄与し、3月は既存店客数が8%増だった。1人当たり買い上げ点数の増加により客単価も7%増えた。業績は復調傾向にある。今週末発表の決算で一段高へのきっかけをつかめるか注目したい。
個人投資家のセンチメントを悪化しかねないグロース株市場の動向
前段で述べた通り、懸念材料は中東情勢、それに絡む原油高とインフレ見通しの高止まり、および米国金利動向だが、加えて国内のグロース株市場の動向にも注意を払いたい。実はグロース市場指数、グロース市場250指数ともに安値圏に沈んでいる。ここから一段安となれば底が割れたような状況となって個人投資家のセンチメントをさらに悪化させかねないので、下げ止まりを期待したいが、そのきっかけが見えないところが悩ましい。
予想レンジは3万8200円~3万9800円とする。