今週(3月29日~4月4日)の相場動向

相場回顧 BTC:米国政府押収分の売り圧懸念等で下落、利下げ期待も後退

ビットコインは、3月29日の米国市場が休場となる中、薄商いで方向感に乏しい展開となった。ビットコインキャッシュが半減期への期待で強い値動きとなり、ビットコインも連れ高する場面はみられたがBTC=1,076万円(71,000ドル)付近では上値が重くなった。

休場明けとなった4月1日の米国市場では、堅調なISM製造業総合景況指数を受けて米国金利が上昇し、利下げ期待の後退により売りが強まった。現物ETFの資金フローが再び流出超過になったことも嫌気された。4月2日には米国政府がシルクロード(※)から押収したビットコインの取引所への大口入金が確認され、その売り圧への懸念からBTC=985万円(65,000ドル)付近まで急落した。

4月3日、ISM非製造業総合景況指数は強弱入り交じる結果となったが、ADP雇用統計が市場予想を上回る結果となった。またパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演で利下げ開始に慎重な姿勢を示し、これらを受けてビットコインは米国株とともに買いの勢いが弱まった。その後、ビットコインキャッシュが半減期を無事に通過し堅調に推移したが、米雇用統計の発表も控える中でもみ合いの展開となった。

※シルクロード:通常のインターネットからはアクセスができない闇サイトの1つ。違法取引の決済通貨としてビットコインが使われた。

 

来週(4月5日~4月11日)の相場予想

BTCは半減期前に買いの勢いを取り戻す可能性はあるが上値は限定的か

米国では強い経済指標を受けて6月利下げ観測が後退し、米国金利が再び上昇に転じている。その中、来週は原油価格の高騰もあって米3月消費者物価指数に注目が集まっている。インフレの長期化を示唆する結果になった場合は米国金利の上昇が継続し、米国株とともにビットコインの売りが強まることは考えられる。また米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の内容を受けて利下げ開始時期に関する不透明感が増した場合は、今月末に予定される次回FOMCにかけて下落リスクが高まるだろう。

今ある暗号資産市場の好材料としては米国の現物ETFによる資金流入のみとなっており、そのペースも徐々に鈍化している。ビットコインキャッシュのように、ビットコインも4月20日前後に予定される半減期にかけて買いの勢いを取り戻す可能性はある。しかし、米国における暗号資産関連の取り締まり強化や政府が押収したビットコインの売り圧懸念など悪材料が相次いでおり、仮に上昇を再開したとしても上値は限定的になるだろう。

直近、上値として史上最高値付近であるBTC=1,121万円(74,000ドル)、下値として3月初旬の急落時に記録したBTC=909万円(60,000ドル)を意識する。