【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,170.24  ▼396.61 (4/2)
NASDAQ: 16,240.45  ▼156.38 (4/2)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇が重石となり下落となりました。310ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに515ドル安まで下落した後下げ渋ると引けにかけて持ち直しましたが、上値は重く引き続き軟調に推移すると結局396ドル安の39,170ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も156ポイント安の16,240ポイントと反落となりました。

2.経済指標等

2月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数は前月比8000件増の875万6000件となり市場予想をわずかに上回りました。また、2月の米製造業新規受注は前月比1.4%増となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、ヘルスケアと一般消費財・サービス、不動産が1%を超える下落となり、情報技術も1%近く下げています。一方でエネルギーと公益事業、コミュニケーション・サービスの3業種が上げ、エネルギーは1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が下げました。そのなかでもユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が6%を超える下落となりました。米連邦政府の2025年のメディケア(高齢者向け公的医療保険)制度で、保険会社に対する支払率が市場予想ほど引き上げられなかったことが嫌気されました。

また、アムジェン[AMGN]も2%を超える下落となったほか、ナイキ[NKE]とウォルマート[WMT]、ホーム・デポ[HD]、シスコシステムズ[CSCO]、インテル[INTC]、スリーエム[MMM]も1%以上下げています。一方で7銘柄が上げ、ダウ[DOW]とウォルト・ディズニー[DIS]が1%以上上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が軟調で、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とウエスタン・デジタル[WDC]が2%を上回る下落となり、マイクロン・テクノロジー[MU]とエヌビディア[NVDA]、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]も1%以上下げています。

さらに1-3月期の世界の電気自動車(EV)販売台数が約4年ぶりにマイナスとなったことでテスラ[TSLA]が5%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い4.35%となりました。一時は4.40%まで上昇し昨年11月下旬以来の高水準を付ける場面もありました。ドル円は151円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)