5日の米雇用統計までは方向感は乏しくなるか
今週の最大の相場材料は5日に発表される3月の米雇用統計だ。市場予想を上回る強い数字になるとの観測が優勢で、それを見極めるまでは大きくポジションを傾けにくい状況が続く。
1日の日銀短観、4日さくらレポートに注目
日銀は4月1日に3月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表する。大企業・製造業の景況感は悪化することが見込まれている。業況判断DIの市場予想はプラス10と4四半期ぶりに低下する見通し。ただし、これは品質不正による自動車メーカーの工場停止が響いた模様。製造業は厳しいが、非製造業は堅調を維持しそうだ。大企業非製造業のDIはプラス33と前回のプラス32から小幅に改善する予想となっている。インバウンドの回復もあって旅行や飲食、小売が好調だったようだ。製造業の工場停止による景況感悪化は過去のことだし、非製造業の改善と相殺され、短観はあまり材料視されないのではないかと思う。
また4日には日銀の地域経済報告(さくらレポート)が公表される。先般のマイナス金利解除を裏付ける内容となっているか、また今後の利上げシナリオのヒントが示唆されるか注目したい。
今週は早くも2月期決算企業の決算発表が始まる。1日のしまむら(8227)、2日にはスギHD(7649)、5日は安川電機(6506)の決算が出る。
為替の神経質な展開は継続、株価の上値を抑える要因に
先週、ドル円相場は一時1ドル151円台後半とおよそ34年ぶりの円安ドル高水準を付けた。当局による円安けん制の発言はトーンアップしている。介入警戒感が一段と高まり、外国為替市場では神経質な展開が続くだろう。それが株価の上値を抑える要因にもなる。冒頭で触れた通り、週末には米雇用統計も控えるため、今週は一進一退で方向感に乏しい展開となりそうだ。4万円の大台を割る場面もあるかもしれないが、そこは押し目買いでサポートされるだろう。
日経平均の予想レンジは3万9800円~4万800円とする。