東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反落となりました。438円安の40,324円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分余りで280円安の40,482円まで戻しましたが、節目の40,500円を前に上値が押さえられると下げ幅を広げ11時前に549円安の40,213円まで下落し479円安の40,283円で前場を終えました。
462円安の40,299円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げると14時50分に708円安の40,054円まで下落しましたが、引けにかけてやや持ち直すと結局594円安の40,168円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
三菱重工業(7011)が配当落ちと株式分割を考慮した基準値比で一時7.9%高となり上場来高値を更新しました。1株を10株にする株式分割により本日から投資に必要な最低金額が大きく下がったことを好感した買いが入りました。
岩谷産業(8088)も配当落ちを考慮した基準値比で一時7.5%高となり上場来高値を更新しました。2027年までに約500億円を投じ、川崎市と愛知県豊田市に液化水素の製造拠点を新設すると伝わったことで将来の収益拡大を期待した買いが入りました。
ソースネクスト(4344)も一時11.2%高となりました。携帯型の自動翻訳機を手がける子会社のポケトークがソフトウエアの開発・販売体制を強化するために富士ソフト(9749)と資本業務提携すると発表したことを材料視した買いが入りました。
東京電力ホールディングス(9501)も一時7.3%高となりました。再稼働をめざす柏崎刈羽原子力発電所7号機で7年ぶりに原子炉に核燃料を入れる作業を始めると発表したことで再稼働への期待が高まりました。松屋(8237)も一時6.0%高となりました。2024年2月期の年間配当を2円50銭積み増し10円にすると発表したことで大幅高となりました。
一方でクレハ(4023)が配当落ちを考慮した基準値比で一時2.8%安となりました。米国インフレ抑制法(IRA)で中国から米国へ電池素材が輸出できなくなることを受けて中国で計画していた電気自動車(EV)向け電池に使う樹脂の増産を中止することなどにより140億円とみていた通期の営業利益の見通しを110億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は594円安となりました。しかし、260円程度の配当落ちの影響を考慮すると実質的には330円程度の下げで、昨日時点で東証プライム市場の騰落レシオが120%を超えていたことからするとスピード調整とみることもできそうです。
なお、日本時間の本日21時30分に10-12月期の米実質国内総生産(GDP)確定値や米新規失業保険申請件数が発表されるほか、22時45分には3月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が、そして23時には3月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値などが発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)